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Book Review

金井三男金井三男さんによる書評

星ナビ星ナビ「月刊ほんナビ」に掲載の書評(原智子さん他)

編集部オンラインニュース編集部による書評

見えないもので宇宙を観る

表紙写真

  • 小山勝二、舞原俊憲、中村卓史、柴田一成 編著
  • 京都大学学術出版会
  • B6判、153ページ
  • ISBN4-87698-807-2
  • 価格 1,575円

最初の掲載図(レントゲンX線発見報告論文に添付された「老人の手のX線写真」)を見ただけで本書の価値は裏付けられる。評者はこの写真を初めて見ることができた。タイトルどおり、天体をX線だけでなく、可視光・赤外線・電波など多波長で見るとどう解釈できるかという本書のテーマが、実に分かりやすく説明されているのだ。通常の出版社編集部が妙に読者を意識して、あるいは見下してといった方がズバリかと思うが、ほとんど写真を並べただけの編集方針で作った本とは大違い。学者達らしく、まじめで丁寧にまた格調高く説明することに徹底しているのである。随所に挿入されているQ&Aが凄く配慮されており、京都大学で2003年末に行われた市民講座(中学生から高齢者までの参加者対象)の講演要旨をもとにした本であるせいか、論理展開や説明が専門的過ぎず、分かりやすくまた親しみやすい。現代の天体物理学を勉強したい皆さんに、ぜひおすすめしたい。

京都大学21世紀COE主催の第1回市民講座「宇宙の神秘に迫る―宇宙科学最前線―」の講演記録。タイトル通り、目に見えないX線と赤外線によって明らかになってきた宇宙像を紹介。さらに、宇宙の大規模構造が観える新たな目として期待される、重力波について解説する。

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