- 三省堂書店/創英社
- 312ページ
- 定価 3080円
筆者である上原氏が制作した天体時計の物語。面白いですよ。12cm反射望遠鏡や21cm反射望遠鏡を自作した話も面白く、ためになるが、その後にシチズン時計に入社されてから、本書主題の天体時計づくりの物語が開始する。同社内で1984年に、新アイディアの募集が始まり、その第一号で「ムーンサイン」という腕時計を筆者他数人で自主提案開発したのである。7.0等までの恒星データが入っていたという。いいですか、読者の皆さんもご存じのとおり、これだけで一冊の立派な星表になりますよ! それが小さな腕時計の中に入っていたなんて…。
その後、技術開発はさらに進み、「コスモサイン」シリーズの開発となる。そして、精密日時計を完成させ、さらには「アストロデア」という超精密腕時計まで完成させたのだ。本書はそういった経緯を、発明者(制作者)の自筆で表している本なのである。アストロデアは、初号機発売の2005年12月から2008年12月まで、13型が発売された。凄いことですよ! また、1994年に筆者が一時期仕事をさせてもらっていた多摩六都科学館(西東京市)に日時計が設置されていたが、それが筆者製作のものだったとは、まさに奇遇!
本書はこの世に一冊しかない貴重なものです。皆さんお買い求めを!