- 楽工社
- 新書変型判、191ページ
- ISBN 978-4-903063-29-4
- 価格 2,625円
何度も申し上げてきたことだが、本書評は天文普及家(プラネタリウム解説員)が心得て行かねばならない記載内容を主に評価している。その点から本書は最高ランクに評価できる。副題にあるとおり、ホントにこの世には間違った天文常識が氾濫している。曇っているから今日プラネタリウムはお休みでしょうとか、曇っていても望遠鏡で星が見えるでしょうとかのお電話はまったく論外としても(現実にはかかってくるのだが)、春分の日にしか卵が立たない・南半球ではトイレが北半球と反対に渦巻く・夏暑いのは太陽が近づくから・北極星は一番明るい星などと、トンデモ誤解は多い。「アポロ計画陰謀論」「誤確認飛行物体」「占星術がうまくいかない理由」「ハッブルを知ったかぶる」「星の売人」など24の章は、それぞれまさしく深くつっこまれた、他書に類を見ない最高の内容だ。
本書は、ヴァージニア大学で博士号を取り研究活動を続けられる一方で、教育普及と疑似科学に対する戦いのためのホームページを立ち上げ、啓蒙活動を続けられている。本書に紹介された多数のウェブサイトにみなさんもアクセスされ、勉強していただきたい。その上で、みなさん方を取り巻くイケナイ宇宙学的オソロシイ誤解に基づく様々な攻撃から身を守るべく、知識を豊富に用意していただきたい。