- ニュートンプレス
- 定価 539円
本書を熟読(ただし気楽に)して悟ったこと。それは、今や宇宙を研究対象とする天文学は、最新の世界観(最新の宗教と言っても良い)だということ。学者の間で現在論じられているのは、ビッグバン・インフレーションはもちろんのこと、ビッグ・クランチ(爆縮)、ビッグ・フリーズ(凍結)、ビッグ・ウィンパー(すすり泣き)、ビッグ・リップ(爆裂)、そしてサイクリック・ユニバース(循環宇宙)など様々あります。どの用語も、文部科学省編纂の学術用語集(天文学編:昭和49年刊)には当然ながら記載されていない。ともかく本書では、後の方のフリーズ、ウィンパー、リップが全く平易に当たり前に語られている。
ただし、残念ながら現生人類の誰もが、それがどれになるかを確かめるスベはない。なにしろ、その前に(と言っても、現在から80億年後になるが)太陽が膨張し、地球を呑み込んでしまうからだ。天文学には夢があり、かつ夢がありませんね。でも、大事なことは、Newton社さんによってこんなに易しく(あるいは優しく)終わりのことが説明されてしまうという現実。たまらなく面白いことではありませんか。要するに、現代天文学が多くの学者さん達の努力によって、ここまで発展できたということですよ!
個人的には、循環宇宙になる前に時が止まってしまうので、再び宇宙は復活しないと思い、爆裂した方がカッコイイと思っているが…。どうなのでしょうか。ご熟読を。