1997年11月17日にハワイで見られた”流星バースト”ビデオ画像
【1999年4月12日 日本流星研究会】
1997年11月17日、日本流星研究会の木下正雄さんがハワイ島マウナケア山中腹で撮影したビデオに、”流星バースト”とも言える突発的出現が記録された。このイベントの詳細は木下さんらによって専門紙に公表された。
(M.Kinoshita, T.Maruyama, and T.Sagayama, Geophysical Resarch Letters, 26,No1,41-44,1999)
観測されたのは13時31分51秒〜52秒UT(現地時間3時31分)の約2秒間。これらの流星はその軌道方向からテンペル・タットル彗星を母彗星とするしし座流星群に属する思われる。木下氏らによると、”流星バースト”ともいうべきこの現象は、ビデオカメラによる画像解析から発光の長さ約100Km、一団の幅は約50Kmと推定され、この中に100個から150個もの流星が確認できるという。この数は、出現率になおすと前回1966年に見られたしし座流星群の大出現の時(140000〜150000個/時)に匹敵するものであるという。
テンペルタットル彗星は33年の周期で太陽に接近することが知られているが、これまでの研究ではいわゆる大出現が起こるのは、彗星が近日点を通過した後の年であると言われている。今回の回帰で彗星が近日点を通過するのは1998年2月28日であったため、1997年のしし群はそれほど注目されていなかった。しかし木下氏らは1997年の方が1998年よりも母彗星が地球軌道面(黄道面)に近い位置にあることに注目し、月齢18の悪条件のなか観測を実施、見事このイベントに遭遇することができた。大変に貴重な映像であると いえるだろう。
より詳しくは日本流星研究会のホームページの1997年11月17日の流星バーストを参照してほしい。同ページには約2秒間のAVIビデオクリップ(340×240、約1.3MB)も公開されている。以下画像は同ホームページより。
キャプチャー画像1 | キャプチャー画像2 |
I.I.+ビデオ画像 | 約2秒間の”流星バースト”連続画像。 各画像のタイムインターバルは1/30秒。 |