あのハッブルが月をみた?!
【1999年4月16日 Space Science Update (NASA, STScI)】
抜群の高分解能で、私たちがこれまで目にしたことのなかった深宇宙の姿を
明らかにしつづけているハッブルスペース望遠鏡がねらった、次なるターゲットは---なんと”月”。
NASAは4月16日、月面の大型クレーター「コペルニクス」付近を撮影したハッブルスペース望遠鏡の画像を公開した。
この画像は、同望遠鏡に搭載されているSpace Telescope Imaging Spectrograph (STIS)
が月の光を用いて太陽光のスペクトル観測をしている合間に撮影された。太陽は明るすぎるため、ハッブルスペース望遠鏡を直接向けることができないのである。月面に反射する太陽光を利用しようというわけだ。太陽光のスペクトル強度を一度得てしまえば、それを惑星大気などの反射・吸収率の研究に役に立てることができるようになる。
まるで地球上の”アリゾナ隕石孔”をみているようなすばらしい画像をご堪能いただきたい。
<画面左上> リック天文台で撮影された月の全面。ハッブル望遠鏡で同様な月の全面をカバーする には、今回撮影されたイメージを130枚分もつなぎ合わせなければならない。
<画面中央> ハッブルスペース望遠鏡搭載のWide Field Planetary Camera 2が捉えたコペルニクス付近。 月面600フィート(約180m)程度の構造物を識別している。
<画面右下> コペルニクス付近の拡大画像。この画像では280フィート(約90m)程度の分解能と なっている。
画像のダウンロードなど、くわしい情報は以下のページにて公開されている