星がピラミッドの年齢を教える

【2000年11月17日 FLORIDA TODAY Space Online / AP (2000.11.16)

ケンブリッジ大学のエジプト学者Kate Spence氏が、地球と2つの恒星の相対位置関係から、エジプトの「ギザの大ピラミッド」の建設年度を紀元前2478年プラスマイナス5年と推定し、『Nature』誌で発表した。これは、通説より75年昔である。通説は、ファラオの一覧から推定したもので、誤差は約100年だった。

「ギザの大ピラミッド」の2辺は正確に南北に並んでいるが、Spence氏は古代エジプト人が北の決定のために「こぐま座」および「北斗七星 (おおぐま座)」の各1星を利用したらしいことを突き止めた。

そして、地球の歳差運動による地軸の角度のずれを逆算して2星が適切な並びになる年度を算出した結果、今回の結果を得た。

もちろん、古代エジプト人が実際にSpence氏が提唱した手法を用いたかどうかは定かではないが、ロサンゼルスのグリフィス天文台のディレクターであるEdwin Krupp氏は、Spence氏の手法はとても理にかなったものであり、さらなる研究を進める価値があると語っている。

ジョーンズ・ホプキンス大学の中近東学部長を務めるエジプト学教授Betsy Bryan氏もSpence氏の理論に賛成しており、古代エジプトの年表をより正確なものに書き改めることになるだろうと語っている。