XMM、アンドロメダ銀河の中心部に拡散したX線源を発見

【2000年12月19日 ESA Science News (2000.12.15)

ヨーロッパ宇宙機関 (ESA) のX線宇宙望遠鏡「XMM-ニュートン」がアンドロメダ銀河 (M31) の中心部を観測し、多数の点状X線源と広く拡散したX線源を発見した。M31は、太陽系からわずか260万光年の距離にあり、私たちの太陽系のある「天の川銀河」と多くの点で似た特徴を持つ。

XMMが撮影したM31中心部

画像は、XMMが撮影したM31の中心部の10分角四方の領域 (1分角=1/60度) 。露光時間は10時間近い。

今回の観測では、100個を超える点状X線源が検出され、そのうち2ダース以上についてはXMMによって初めて発見されたものであった。XMMは、X線観測衛星としては最高の集光力を誇る。これらの点状X線源は、中性子星またはブラックホールを含む連星系である。

同時に、広く拡散したX線源も発見された。そのスペクトルには複数の輝線が見られるため、さまざまな元素を含むらしい。その起源はおそらく、恒星間に広がる希薄で超高温 (100万度以上) のプラズマだと推定される。

観測チームのRobert Shirey博士 (カリフォルニア大学) によると、その高温プラズマは、おそらく超新星爆発により放出されたものだそうだ。また、そのプラズマの量を調べることにより、M31で超新星爆発が発生する頻度が推定できるという。

画像提供: ESA