健在!明け方の宇都宮・ジョーンズ彗星
【2000年12月16日】
熊本県小国町の宇都宮 章吾氏とニュージーランドのジョーンズ氏によって発見された宇都宮・ジョーンズ彗星(C/2000 W1)が、 明け方の空に姿を現わしました。
2000年12月中旬に、南西の空低くで観測されましたが、その後太陽に接近して、地上から見ることはできませんでした。
彗星自体が小ぶりなため、太陽に接近した際に、熱で消えてしまうことが懸念されていましたが、2001年1月12日、14日、15日の早朝、明け方の低空で拡散した姿が確認できました。
|
宇都宮・ジョーンズ彗星 |
1月15日 5時52分(日本時) |
撮影者/門田健一 撮影地/埼玉県上尾市 撮影機材/18cmF5.5反射望遠鏡+冷却CCDカメラ |
|
彗星の大きさは1.3分角(見かけの月の20分の1強)で、明るさは11等級でした。低空のため、 頭部の淡い部分が写っていないので、実際には9等級でしょう。現在、「いて座」と 「へびつかい座」の境界付近を西に移動しています。
高知県高知市の村岡健治氏による放物線軌道は、次のとおりです。
近日点通過時刻 = 2000 Dec. 26.55927 TT 近日点引数 = 51.50896 昇交点黄経 = 10.76602 (2000.0) 近日点距離 = 0.3211811 AU 軌道傾斜角 = 160.16544
東京での日出一時間前の位置予報によると、彗星は、少しずつ減光しますが、高度は高くなり、見やすくなります。
<日出一時間前の位置(東京)> 日付 時刻 赤経(J2000)赤緯 地心距離 日心距離 方位/高度 明るさ 太陽離角 2001年 時 分 度 分 天文単位 天文単位 度 度 等 度 1/15 5:51 18 1.4 -17 42 1.362 0.628 300 +9 9.2 25.0 1/17 5:50 17 56.3 -17 45 1.351 0.671 302 +12 9.4 28.2 1/19 5:50 17 51.4 -17 48 1.338 0.714 304 +14 9.7 31.3 1/21 5:49 17 46.5 -17 52 1.323 0.757 306 +15 9.9 34.5 1/23 5:48 17 41.7 -17 56 1.306 0.799 309 +17 10.1 37.6 1/25 5:47 17 36.8 -17 59 1.288 0.841 311 +19 10.3 40.8 1/27 5:45 17 31.9 -18 3 1.268 0.882 313 +21 10.5 43.9 1/29 5:44 17 26.8 -18 6 1.246 0.923 316 +22 10.6 47.1 1/31 5:43 17 21.7 -18 9 1.224 0.964 318 +24 10.8 50.3 2/ 2 5:41 17 16.3 -18 11 1.200 1.004 321 +25 10.9 53.6 2/ 4 5:40 17 10.7 -18 13 1.176 1.044 323 +27 11.0 56.9 2/ 6 5:38 17 4.8 -18 14 1.151 1.083 326 +28 11.2 60.3 2/ 8 5:36 16 58.6 -18 15 1.125 1.122 329 +30 11.3 63.8 2/10 5:34 16 52.1 -18 14 1.100 1.161 332 +31 11.4 67.4 2/12 5:32 16 45.1 -18 13 1.074 1.199 335 +32 11.4 71.0 2/14 5:30 16 37.7 -18 10 1.048 1.237 339 +33 11.5 74.8 2/16 5:28 16 29.8 -18 5 1.022 1.274 343 +34 11.6 78.7 ※方位は南から西回りに表わした方位角。
<関連ニュース>
- 2000.12.30 SOHOの観測画像で宇都宮-ジョーンズ彗星を見よう!
- 2000.12.08 百武 裕司さんが宇都宮・ジョーンズ彗星の撮影に成功
- 2000.12.07 夕方低空の宇都宮・ジョーンズ彗星を捉えた!
- 2000.11.27 宇都宮・ジョーンズ彗星の発見・速報