予想と逆方向に回転する銀河

【2002年2月12日 STScI Press Release

この写真の銀河はどちら向きに回転しているだろうか?一見すると反時計回りに回転しているようだが、実は時計回りに回転しているのだ。

(NGC 4622の写真)

(写真提供:NASA and The Hubble Heritage Team (STScI/AURA)、謝辞:R. Buta (U. Alabama), G. Byrd (U. Alabama), T. Freeman (Bevill State Community College))

この銀河は地球から1億1100万光年離れたケンタウルス座の方向にあり、NGC 4622という名前が付けられている。写真は、2001年5月にNASAのハッブル宇宙望遠鏡によって撮影された、紫外線、赤外線、青色、緑色の4つの波長の像を合成したものだ。

ほとんどの渦巻き銀河の腕(渦巻き)は、回転方向の後ろ側に引きずられるような方向に伸びて見える。したがってNGC 4622は反時計回りに回転しているのだろうと思われていた。しかし観測の結果、この銀河は時計回りに回転していることがわかった。つまり、回転していく前方に2本の腕が伸びているということだ。さらに不思議なことに、内側には銀河の回転と反対側(反時計回り方向)に伸びる腕が1本ある。

研究者たちは、この銀河は別の銀河と相互作用し、結果としてこのような不思議なことがおこったのではないかと推測している。外側の2本の腕が不釣合いなことからも、相互作用があったことが予想できる。ハッブル望遠鏡による写真からはNGC 4622が小さな銀河を飲み込んだことが推測されるが、これは銀河の中心部分をより詳しく研究することで明らかになるだろう。

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