ハッブル宇宙望遠鏡が捉えたηカリーナ星雲
【2003年11月14日 HubbleSite - NewsCenter】
NASAのハッブル宇宙望遠鏡が撮影した、南天のりゅうこつ座にある明るい散光星雲「η(エータ)カリーナ星雲(NGC 3372)」の写真が公開された。
ηカリーナ星雲は、地球からおよそ8000光年離れたところにある天体だ。写真では、直径200光年以上という大きな星雲のうちのほんの一部(3光年)だけを写し出しているが、星雲内にチリやガスが広がっているようすがよくわかる。暗い部分は、この星雲の素となった恒星、りゅうこつ座η星から放たれている高速の恒星風や高エネルギーの放射によって削られてできたものだ。η星は、太陽の100倍以上という大質量の星で、特に赤外線でひじょうに明るく輝いている。
フィラメント状の構造は、他の星々の外層部分から吹き出したガスがかき回されてできあがったものだ。低温と高温のガスが混ざり合ったこの領域には、新しい星の素材となる物質が分布している。また、画像上部のひときわ明るい部分には、将来新たな太陽系となるかもしれないチリが集まっている。