北九州市の高尾さん、へびつかい座に新星らしき天体を発見
【2004年4月16日 VSOLJニュース(125)】
福岡県北九州市にお住まいの高尾明(たかお あきら)さんが、4月14.80日(世界時、以下同様)に撮影したCCD画像から、へびつかい座に新星らしき天体を発見されました。高尾さんは昨年の7月にも同じへびつかい座に新星(へびつかい座V2573)を発見しておられます(VSOLJニュース 107)。
高尾さんは、望遠レンズにCCDカメラを装着したシステムで新星の探索を行なわれています。日本時間15日未明に撮影した画像を調べていて、3月31日以前には写っていない光点に気付かれました。天体の位置は、山形県の板垣公一(いたがき こういち)さんの測定によると、次のとおりです。
赤経 17時38分45.49秒 赤緯 -23度28分18.5秒 (2000年分点) 新星周辺の星図(49KB)
へびつかい座の南端近く、いて座の三裂星雲や干潟星雲の西側になります。
ASAS-3自動撮影システムでは、この領域を3月12.38日に撮影していましたが、やはり天体は写っていませんでした。17.36日撮影の画像では、8.1等ほどの明るさで捉えられています。
これまでに報告されている光度(注記がないのはフィルタなし)のCCD等級は、以下のとおりです(時刻は世界時)。
3月31.828日 | >11.9 | 高尾 |
4月11.38 日 | >13.5 | ASAS-3(V等級) |
4月14.31 日 | 10.9 | ASAS-3(V等級) |
4月14.80 日 | 11.1 | 高尾 |
4月15.684日 | 10.2 | 板垣 |
4月15.785日 | 10.5 | 高尾 |
4月15.92 日 | 9.5 | Monard(南アフリカ) |
発見3日前には見られなかったことから、増光開始後間もないところで発見されたものと思われ、また増光途中と思われます。今後のスペクトル観測や綿密な明るさの追跡が強く望まれます。
<4月19日追記>
16日付のIAUC 8324で、この天体が新星であることが正式に報告されました。名前はへびつかい座新星V2574(V2574 Oph)となります。
また、三重県亀山市の中村祐二さんも独立発見されています。