たった100年前に核融合を終えたばかりの20万度の白色矮星
【2004年7月2日 RAS Press Notice】
NASAのチャンドラX線観測衛星と遠紫外線スペクトル分析衛星(FUSE)によって、たった100年前に核融合を終えたばかりの白色矮星が発見された。
発見された白色矮星はH1504+65という天体で、表面温度は20万度もある。表面に水素やヘリウムはほとんど存在せず、主に炭素や酸素でできているようだ。理論上では、多くの星はその一生の終わりに炭素と酸素からなる中心の核をもつようになると予測されていたが、周囲が取り払われて実際にその様子を観測できるとは想像もしていなかったということだ。
また、H1504+65にマグネシウムの存在が発見されたことも興味深い。星の質量がある一定以上の場合、炭素の核融合からマグネシウムを生成することでエネルギーを得て星の寿命を長らえることが予測されているためだ。しかし、ヘリウム核融合反応によってもマグネシウムが作られることもあるため、決定的な理論の証明とはならないとのことだ。同チームはハッブル宇宙望遠鏡による観測も予定しており、この星についてさらに詳細なデータがもたらされることが期待されている。