30年ぶりの水星探査機メッセンジャー、79億キロの旅に出発
【2004年8月4日 APL Press Releases】
水星の周回軌道に投入される初の探査機メッセンジャーが、4日午後3時15分(日本時間)、アメリカ・フロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた。重量1.2トンの探査機は、打ち上げから57分で太陽を周回する軌道に入り、まもなく2つのソーラーパネルを広げてデータ送信を始めた。
メッセンジャーは、水星に送られる探査機としては人類史上2機目の探査衛星だ。1974年から1975年には1機目のマリナー10号による探査が行われ、水星表面の半分以下ではあったが、その詳細が明らかにされている。
30年ぶりとなった今回の探査では、水星の全体像をカラー撮影したり磁場を調査したりする。また、水星の組成、表面を覆っている薄い大気、核の特徴、極に堆積している物質が氷であるのか、などが詳しく調べられることになっている。
今後、15回にわたる太陽周回と6回の惑星スイングバイの後、メッセンジャーは2011年に水星の周回軌道へ投入される。専門家たちは、これまで人類が目にしたことのない水星の姿が明らかにされ、さらには太陽系形成についても計り知れない情報がもたらされるだろうと期待している。