山形市の板垣さん、NGC 3430の超新星2004ezを発見

【2004年10月18日 VSOLJニュース(131) / 国立天文台 アストロ・トピックス(57)

(VSOLJニュース)

(著者:山岡均さん(九大理))

山形市にお住いの板垣公一さんは、8月には11年ぶりの明るさとなる超新星2004dj(vsolj-news 127)を、9月にも超新星2004eo(vsolj-news 129)を発見されるなど、たいへん活躍されている新天体捜索者です。その板垣さんがまたもや、こじし座の渦巻銀河NGC 3430に、超新星2004ezを発見されました。

超新星の位置は以下のとおりです。銀河の中心から東に46秒角、北に19秒角の位置にあたります。

赤経  10時52分15.11秒
赤緯 +32度57分20.1秒  (2000.0年分点)
NGC 3430周辺の星図

超新星は、16日未明(日本時)に17.3等級で発見され、翌17日未明にも同じ明るさで確認されました。また、発見前の10月1日未明撮影の画像でも、ほぼ同じ明るさで写っていることが遡って見つかっています。

NGC 3430は私たちからの距離がかなり近い銀河で、典型的なIa型超新星では極大等級は13.4等ほどが期待されます。しかし今回の超新星は、それよりもずっと暗く、一定光度を保っていることから、光度曲線に平坦な時期のあるIIP型であろうと思われ、さらに母銀河内でかなりの星間吸収を受けているものと推定されます。今後のスペクトル型の判定等が待たれます。

(国立天文台 アストロ・トピックス)

山形県山形市にお住いの板垣公一(いたがきこういち)さんが、こじし座の渦巻銀河NGC 3430の中に17.3等級の超新星を発見しました。この発見は兵庫県の中野主一(なかのしゅいち)さんを通じて国際天文学連合に報告されました。

この天体は、板垣さんが2004年10月16日未明(日本時)、口径60cm望遠鏡を使って撮った画像に写っていました。翌10月17日も同じ明るさで写っていることを板垣さん自身が確認しています。また、発見前の10月1日未明に撮影した画像にも、ほぼ同じ明るさで写っていることが判りました。この超新星は2004ezと命名されました。超新星の位置は以下のとおりです(上と同じなので省略)。

この天体は「NGC 3430」の中心から、東に46秒角、北に19秒角のところにあります。

NGC 3430銀河は私たちからの距離がかなり近い銀河です。超新星の今後のスペクトル型の判定等が待たれます。

板垣さんの超新星発見は、2004年9月にも超新星「2004eo」を発見しており、今年だけでも6個目、通算12個目の超新星発見となりました。

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