国立天文台のALMA(アルマ)計画の近況

【2006年5月9日 国立天文台 アストロ・トピックス(209)

国立天文台が進めているALMA計画の近況報告をご報告します。最新情報については ALMAのホームページ: http://www.nro.nao.ac.jp/alma/をご覧下さい。


<近況報告>

ALMAの建設は、2012年の本格運用開始に向けてますます勢いがついてきました。

チリ現地でのインフラ工事は順調に進んでおり、標高5050メートルの望遠鏡サイトでは、山頂施設建物の外装工事がほぼ完了し、内装工事に入っています。また、標高2900メートルのところにある山麓施設では、アンテナ組立エリアの造成が完了し、組立用基礎の工事を待つ状態となっています。一方、アメリカ・ニューメキシコ州のアメリカ国立電波天文台のVLA観測所で性能評価試験を行ってきた日本の口径12メートルプロトタイプアンテナは、一連の試験を終了し、同観測所から撤収されました。この様子はALMA建設記録映画パート3の中に収められています。日本が担当するアタカマコンパクトアレイ(ACA)用12メートルアンテナの国内組立もまもなく始まります。これらに加え、日本・北米・欧州の各地で、それぞれ担当する機器の開発が勢力的に進められています。

3月22日から24日にかけては、日本開催としては初となるALMA評議会が京都リサーチパークで開催され、日本からも委員(当時)の海部宣男台長(当時)と4月から委員となる観山正見新台長に加え、石黒正人ALMA推進室長らが参加し、建設・開発の進捗報告を受けるとともに、現地での人員の雇用計画、共同建設の具体的な内容等に関する議論が行われました。3月27日から29日まで和歌山大学で開かれた日本天文学会春季年会では、ALMAの機器開発等に関して20件の発表がありました。年会の最終日にはALMA特別セッションが開催され、会場には台湾からの代表を含め150名程度の参加者が集い、熱心な議論が行われました。

そのほか、写真ニュースにもいろいろ載せてありますのでどうぞご覧ください。