オリオン座のベテルギウスが1等以下まで減光中

【2006年10月5日 アストロアーツ】

秋に入り、夜半過ぎには冬を代表するオリオン座が東から昇るようになってきました。そのオリオンの肩で輝く赤い1等星・ベテルギウスが、急速な減光を見せています。これは数年に一度の現象で、まもなく極小を迎えると考えられています。


(ベテルギウス周辺の星図)

2006年10月5日午前2時、南東の空。図中にはベテルギウスをはじめとした1等星の名前を記した。ステラナビゲータVer.8で作成。クリックで拡大(拡大図中の数値は等級を表す)

(ベテルギウスの光度曲線)

ベテルギウスの光度曲線。クリックで拡大(提供:ダイニックアストロパーク天究館 高橋進氏)

オリオン座のベテルギウスは全天でもっとも明るい変光星の一つですが、この9月から急激に減光し話題になっています。

ベテルギウスは脈動変光星で、変光星カタログ(GCVS)では0.4〜1.3等の変光となっていますが、最近は0.4〜0.8等くらいを350日ほどの周期で変光し、4〜5年または10年に1度くらい1.0等より暗くなり話題になります。今年夏ごろまでは通常の0.4〜0.8等を繰り返していましたが、9月から急激に暗くなり、10月3日現在ではおよそ1.2等にまで減光しています。

オリオン座も夜半過ぎには東の空に上がってきますので、これからが観測シーズンです。ポルックス(1.2等)、アルデバラン(0.9等)、プロキオン(0.4等)(等級はいずれもヒッパルコス星表による)などを比較星にして、ぜひ目測してみてください。これまでの変光パターンからいくと、そろそろ極小ではないかと思われ、その後ゆっくりと明るさを増していく事と思います。1週間に1度程度の観測で、ベテルギウスの変光をお楽しみください。

なお、観測データは世界の多くの研究者にとって貴重なデータとなるので、以下で観測報告を募っています。

VSOLJ観測データ担当 広沢憲治氏 (E-mail: NCB00451@nifty.ne.jp

ダイニックアストロパーク天究館 高橋進氏 (E-mail: HHF00200@nifty.ne.jp

(※本ニュースは、ダイニックアストロパーク天究館の高橋進氏よりいただいたコメントを元に作成しました。)

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