第4回プラネタリウム解説コンクール
京都の井本さんが最優秀賞を獲得

【2008年2月15日 アストロアーツ】

2月10日(日)、三重県立みえこどもの城(三重県松阪市)が主催する、プラネタリウムの生解説を競うユニークなコンクール「プラネタリウム解説コンクール(通称プラコン)」が行われた。4回目となる今年は14組19名の応募があり、予選を通過した8組が解説の技を競い合った。


(最優秀賞の井本彰さんの写真)

こぎつねチロンと最優秀賞のよろこびを分かち合う井本さん

今年の最優秀賞を獲得したのは、京都府で教員を務める井本彰さんの「こぎつねチロンの星ごよみ」だ。登場人物のひげくま先生とこぎつねのチロンを一人二役で務め、夏の星座や、星の南中、季節の移り変わりを巧みなストーリー展開で解説した。井本さんは学校でも「くま先生」の愛称で慕われ、毎朝教室で子供たちに読み聞かせをしているとのことで、話し方も人を引き込む力があり、総合力として評価された結果となった。

井本さんは自らのホームページでも作品を公開している。「自然はオモシロイもんが、ぎょうさんあるで」ということを子供たちに伝えていきたいそうだ。

井本さんは昨年も親子を一人二役でこなし、優秀賞を獲得している。


(優秀賞の高木良輔さんの写真)

優秀賞の岡山理科大1年生の高木良輔さん。将来はプラネタリアンを目指すという

審査員を務めたのは、宇宙物理学者の佐治晴夫さん(鈴鹿国際大学短期大学部学長)、天文に詳しい漫画家のえびなみつるさん、ベテランプラネタリウム解説者の本部勲夫さん(京都市青少年科学センター)、星ナビ執筆陣としてもおなじみの浅田英夫さん(あさだ考房)、MAPみえこどもの城の前館長の河原孝さん(三重県桑名西高校校長)、の5名。この他に会場の一般審査員の採点が加味されて各賞が決定した。


(出場者と審査員の皆さんとブラック星はかせの写真)

出場者と審査員の皆さんと当日の特別上映の解説をした明石天文科学館のブラック星はかせ(後列左から3番目)

昨年はソロの解説が最優秀賞を獲得したためか、ペアでの解説は1組にとどまった。内容も科学的なものから民族的なものまで、より深みを増したものとなってきた。観客と息を合わせるといった「生解説」本来の醍醐味をどのように追求していくかが出場者の今後の課題となるだろう。

最後に、来年は館の改装のためコンクールはお休みと衝撃的な発表がされ、会場からはため息も聞かれた。毎年の開催を楽しみにしている参加者が多いことを考えると、時期をずらすか、他の館での開催など、ぜひとも間をおかずの開催となってほしいものだ。

第4回プラコン受賞者は以下の皆さん。他に入賞者には賞品として、アストロアーツ提供の浅田英夫さん共著『DVDではじめる天体観察入門』が贈呈される。


受賞内容、作品タイトル、受賞者

最優秀賞 「こぎつねチロンの星ごよみ」
井本彰さん(京都府在住・教員)
(賞金5万円、副賞としてステラナビゲータ解説音声のネット配信)
優秀賞 「虹色の天の川」
高木良輔さん(岡山県在住・岡山理科大1年)
(賞金2万円)
以下特別賞(賞品としてコニカミノルタプラネタリウムより「アイポッドシャッフル」)
演技賞 「光速旅客船で行く!?豪華絢爛 天の川名所ツアー」
山崎敦子さん(神奈川県在住・フェリス女子学院大学2年)
シナリオ賞 「新・七夕伝説」
長尾碧さん(三重県在住・高田中学校2年)
伊藤司真さん(三重県在住・高田中学校1年)
熱血賞 「星塵」
河原弘和さん(愛知県在住・旭丘高等学校2年)