迫力の立体映像で科学を楽しめる 「シンラドーム」オープン
【2008年8月19日 アストロアーツ】
東京都千代田区の科学技術館は、立体フルデジタルドームシアター「シンラドーム」を8月20日より公開する。インタラクティブな全天周立体投影が常時公開されるのは日本で初めて。
「シンラドーム」の名称は、宇宙の中のすべてのものを表す言葉「森羅万象」から取られている。理化学研究所や国立天文台などの研究成果を可視化し、宇宙はもちろん、生命や地球の世界などを映し出す。科学者と芸術家が協力して新しい映像表現を創り出す実験場として、そして科学をわかりやすく一般市民に伝える場としての役割が期待されている。
シンラドームの立体投影は、Infitecと呼ばれるフィルタ方式である。従来に比べて軽い眼鏡で、頭の位置や角度に影響されずに立体映像を楽しむことができるのが特長。さらに、まったく目地のないドームスクリーンを採用することで、投影効果を最大限に発揮させている。
オープン後は、国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクトによるコンテンツや、細胞の中で起こっている現象を紹介する番組、昆虫を引き延ばして微細な構造を立体ドームで表現する番組など4種類のコンテンツを用意し、平日に交互に上映する予定となっている。
ところで科学技術館といえば、12年間にわたって実施されてきた科学ショー「ユニバース」が有名だ。これまでも研究用スーパーコンピューターで生成した映像を大型スクリーンに投影しながら、研究者が最先端の話題を直接来館者に語りかけて好評を博してきた。こちらも従来どおり、毎週土曜日午後に行われる。パワーアップした立体映像でどのようなショーが繰り広げられるのか、楽しみだ。
すでに述べたように、シンラドームでは宇宙に限らず、ミクロからマクロまであらゆる科学分野のコンテンツが上映される。開発段階から多くの研究機関が協力しており、科学のおもしろさを伝えて研究者と市民をつなぐ拠点の一つとなりそうだ。