系外惑星の分類に疑問投げかける天体を発見
【2008年10月10日 ESA News】
系外惑星探査衛星「コロー(COROT)」が、恒星のすぐ近くをまわる天体を発見した。大きさは木星ほどだが、質量が木星の20倍以上もある。果たして惑星に分類されるのか、褐色矮星に分類されるのか、まだその答えは出ていない。
「COROT-exo-3b」と名づけられたこの天体は、大きさは木星とほぼ同じだが、質量が木星の20倍以上もある。そして、太陽よりわずかに大きい恒星のまわりを4日と6時間という短い周期で回っている。
質量が木星の20倍ほどの天体といえば、褐色矮星に分類される。惑星と恒星の中間のガス天体で、質量が小さいため太陽のように核融合反応を起こして自ら光り輝くことはない。しかし、観測データにもとづけばCOROT-exo-3bの密度は1立方cmあたり約20gと、巨大な金塊に相当することになるので、簡単に褐色矮星にあてはめるわけにもいかない。
天体を発見した研究チームのリーダーである、マルセイユ天体物理学研究所(LAM)のMagali Deleuil博士は、COROT-exo-3bの発見について次のように話している。「親星からひじょうに近いところに、このような質量の大きな天体が発見されて驚きました。COROT-exo-3bは、他に類をみない天体で、われわれはまだ議論を続けています」
また、研究チームに参加した、カナリア天文物理研究所(IAC)のHans Deeg氏は、「戸惑っています。一体、惑星と褐色矮星との間のどこに境界線を引くか、はっきりできないのです」と話す。
COROT-exo-3bを系外惑星と見なすならば、質量・密度ともに最大の惑星となる。今後は、COROT-exo-3bの分類はもちろんのこと、どうやって恒星のすぐ近くでこれほど質量の大きな天体が形成されたのかも研究の焦点となりそうだ。