学生が系外惑星を発見
【2008年12月10日 ESO】
オランダ・ライデン大学の3人の大学院生が、系外惑星を発見した。発見された惑星は質量が木星の5倍ほどで、恒星のまわりを2.5日の周期で回っている。特筆すべきは、恒星の表面温度が高く高速で自転している点で、このような恒星のまわりで惑星が見つかるのは初めてのことだ。
オランダ・ライデン大学の大学院生、Meta de Hoon氏、Remco van der Burg氏、Francis Vuijsje氏は、OGLEプロジェクトで観測された恒星のデータから光度変化を検出する方法を研究していた。OGLEは、重力レンズ現象をとらえるために1997年から2000年まで行われた全天観測である。
3人は、恒星の1つ「OGLE2-TR-L9」が2.5日に1回、約2時間の間、1パーセントほど暗くなることを発見した。その後、ヨーロッパ南天天文台(ESO)のVLT干渉計による追観測で、この現象が恒星の前を惑星が通り過ぎること(トランジット)によるものだと確認された。
研究を指導したIgnas Snellen氏は、「学生たちには検出方法を開発するすべを学んでもらうつもりだったのですが、彼らはうまくやってくれたので、誰も手をつけてないデータベースでその方法を試す時間ができました。彼らが私のオフィスに来て光度変化のグラフを見せたときは、まったく驚きました」とコメントしている。
発見された惑星「OGLE2-TR-L9b」は、質量が木星の約5倍、恒星からの距離は地球・太陽間の3パーセントほどで、公転周期は2.5日。恒星は表面温度が約7000度で、太陽に比べて1200度以上も高く、これまでに惑星が発見された恒星の中ではもっとも熱い。また、自転速度は約15時間と見積もられる(太陽は約26日)。一般に、系外惑星を探すときは、惑星の存在によって生じる恒星のぶれをスペクトルから検出する方法がとられるが、OGLE2-TR-L9のように高速で自転している恒星では検出が難しい。その点でも、今回の発見は注目されている。