年の初めに流れ星を眺めてみませんか――しぶんぎ座流星群キャンペーン
【2008年12月18日 国立天文台 アストロ・トピックス(435)】
来年1月4日ごろ、三大流星群のひとつであるしぶんぎ座流星群が極大を迎える。国立天文台では、この流星群をより多くの人に見てもらおうと「見えるかな年の初めの流星群」キャンペーンを行う。
アストロ・トピックスより
毎年、年初めの1月4日頃には「しぶんぎ座流星群(注)」が活発に活動します。世界天文年となる2009年の初頭を飾るこの流星群を、ぜひ観察してみませんか。
しぶんぎ座流星群は、深夜2時頃から、空が明るくなり始める5時から6時頃までが観察に適しています。2009年の場合は、1月3日夜から4日未明(3日深夜)に、極大が訪れると予想され、過去の日本の観測からは、とくに4日未明(3日深夜)3時半頃に極大となることが期待されます。月明かりの影響も受けませんので、条件よく観察できそうです。
この極大時刻は、ずれる可能性があり、真夜中前など日本での観察に適さない時刻に極大になった場合には、流星はほとんど見られないかもしれません。しかしながら、予想どおりの観察しやすい時刻で極大となり、空の暗い場所で観察ができれば、1時間に数十個の流星を見ることができるでしょう。
そこで国立天文台では、できるだけ多くの方に流れ星を眺めてもらおうと、世界天文年のオープニングイベントとして、2日夜から5日朝までの間「見えるかな年の初めの流星群」キャンペーンを行うことにしました。
この期間に夜空を観察し、観察時間と、その間に何個の流れ星を見ることができたか等を報告ページから報告してください。携帯電話からも参加可能ですので、これまで流れ星を眺めたことのない方も、ぜひお気軽にご参加ください。また、詳しい観察によって報告されたデータについては、1時間あたりの平均流星数を10分おきに自動集計する予定です。極大が予想どおりかなど、流星群の活発さの変化をリアルタイムに知ることができるかもしれませんので、ぜひご注目ください。
なお、世界天文年の2009年は、今後、8月の「ペルセウス座流星群」、12月の「ふたご座流星群」と三大流星群すべてでキャンペーンを行う予定です。
流星群は、望遠鏡や双眼鏡を必要とせず、手軽に観察することができる現象です。しかし、冷え込みが厳しい季節なので、防寒着を着たりカイロを使用したりするなど、寒さにはじゅうぶん注意して観察にのぞんでください。
世界天文年最初の天文イベントとして、夜空を見上げ、流れ星を数えてみませんか。
注:「しぶんぎ座(四分儀座)」という星座は、存在しません。放射点のある辺りにかつて「壁面四分儀座」という星座が存在したことに由来し、現在も「しぶんぎ座流星群」と呼ばれます。「りゅう座ι(イオタ)流星群」という通称で呼ばれることもあります。