長生きの散開星団内に存在する惑星状星雲

【2009年1月21日 HubbleSite

NASAのハッブル宇宙望遠鏡(HST)が、散開星団内に存在するめずらしい惑星状星雲の姿をとらえた。


(HSTがとらえたNGC 2818の画像)

HSTがとらえたNGC 2818の画像。擬似カラーは、星雲からの放射(赤が窒素、緑が水素、青が酸素)に対応する。クリックで拡大(提供:NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA))

NGC 2818は、らしんばん座の方向約1万光年の距離に位置する惑星状星雲で、散開星団NGC 2818Aの中に存在していている。

惑星状星雲を形成する星の年齢は、だいたい数十億歳くらいだ。一方、普通の散開星団は、星どうしの結びつきがゆるいので、数億年ほど経つと星団はばらばらになってしまう。NGC 2818Aの年齢は10億歳ほどと計算されているが、これほど長く生き残っている散開星団はまれである。

この画像は、HSTの広視野/惑星カメラ2(WFPC2)によって、2008年11月にとらえられた。画像中、外側に広がっているのは、太陽程度の質量を持つ恒星が核融合を終えて、一生の終わりに放出したガスである。

NGC 2818の姿は、数万年かけて少しずつ薄れていく。中心にある星の残骸も、数十億年の間には冷えて、白色矮星となる。わたしたちの太陽も同じようなプロセスをたどるが、それまでにはまだ50億年ほどの時間がある。