土井隆雄さん、国連宇宙部の宇宙応用課長に

【2009年6月8日 JAXA】

オーストリアにある国連宇宙部は、一般から公募していた宇宙応用課課長に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の土井隆雄さんを採用すると発表した。


オーストリアのウィーンにある国連宇宙部(UNOOSA;The United Nations Office for Outer Space Affairs)は、国連における宇宙の平和利用に関する政策を担当する部門である。1950年後半に国際宇宙平和利用委員会(COPOUS;Committee on the Peaceful Uses of Outer Space)の創設に伴って発足した。

国連宇宙部は宇宙応用課課長の職を一般から公募していたが、6月5日に宇宙航空研究開発機構(JAXA)の土井隆雄さんを採用すると発表した。

宇宙飛行士が同職に採用されたのは初めてのことで、土井隆雄さんは決定の喜びと今後の意気込みをコメントした。

《土井隆雄さんのコメント》

国連宇宙部門より採用通知を受け、非常にうれしく思います。1985年に旧宇宙開発事業団より宇宙飛行士として採用されて以来、24年間、日本の有人宇宙開発に携わることができたことは大きな喜びであり、今まで私を応援して頂いた多くの人々に感謝いたします。

国連での仕事は、世界のより多くの人々に宇宙開発の恩恵をもたらすことを目的としています。宇宙に関する科学技術的な啓発活動から始まって、人工衛星を利用した通信・気象・環境情報の利用を促進し、遠方医療活動から災害救援活動まで、世界中の人々の暮らしの向上とより平和な世界にするために、宇宙を利用することができます。

国連宇宙部門で採用された初めての宇宙飛行士として私に期待されているのは、有人宇宙開発、特に日本も参加している宇宙ステーションを世界の人々のために役立てる仕事をすることだと認識しています。宇宙ステーションは、人類が宇宙に創り出した偉大な資産であり、それを全ての人類のために役立てることができるならばすばらしいことだと思います。

今まで宇宙飛行士として培った知識と経験を生かし、新しい仕事に全力で取り組むつもりです。どうぞよろしくお願いいたします。