「きずな」による皆既日食の映像伝送実験
【2009年6月15日 JAXA】
宇宙航空研究開発機構(JAXA)と情報通信研究機構(NICT)は、7月22日に超高速インターネット衛星「きずな(WINDS)」を利用した、皆既日食の映像伝送実験を実施する。映像は、国立天文台に送られたあと、国立科学博物館など各地の科学館、放送局等へ配信される。
「きずな(WINDS)」は、2008年2月に打ち上げられた超高速インターネット衛星である。日本周辺のあらゆる場所における超高速のデータ通信の実現、日本とアジア・太平洋地域の諸国との超高速通信の実現など、世界最高水準の高度情報ネットワークの形成を目指している。
JAXAとNICTは、7月22日の皆既日食について、高速通信回線のない硫黄島にアンテナを搭載した車載型地球局を設置し、「きずな」に向けて日食のハイビジョン映像を送信する。
「きずな」は、アジア・太平洋地域全体をカバーするアンテナ(APAA)を使って、東京都小金井市や茨城県鹿嶋市などのNICTおよびJAXA地球局に向けて映像を中継、さらにNICTが有する地上高速ネットワーク(JGN2plus)などを経由して、実験映像が国立天文台に送られる。
その後映像は、上野にある独立行政法人国立科学博物館をはじめ、各地の科学館、放送局等へ配信され、一般に広く公開されることとなる。
なお、今回の伝送実験は、「きずな」を利用したアジア・太平洋島地域向けの高速データ伝送実験に向けた第一歩である宇宙通信ネットワークと地上高速光ネットワークを連携させた高度な通信を実証する機会であり、また得られた貴重な皆既日食映像を広く共有することを目指して行われる。
【硫黄島での日食時間帯】(国立天文台より)
- 硫黄島での食の始まり:10時1分から
- 皆既日食の時間帯:11時25分から11時30分まで(最大11時28分)
- 食の終わり:12時52分
※超高速インターネット衛星「きずな」(WINDS):アジア・太平洋地域のデジタル・ディバイドの解消、衛星利用の高度化等に必要なギガビット級の超高速衛星通信技術の確立を目的に、JAXAおよびNICTが開発した研究開発衛星で、平成20年2月23日にH-IIAロケットで打ち上げられ、平成20年6月30日からは定常運用が開始されています。衛星通信能力として、「きずな」に搭載されているNICT開発の再生中継器を用いることで、小型地球局(VSAT)を用いて最大155Mbpsのメッシュ接続による通信が可能です。また、1.1GHz帯域幅のベントパイプ型の衛星中継モードを用いれば、世界最高速の1.2 Gbps伝送が可能です。