スペースシャトル退役後の行き先が決定、一方ボストークはロシアへ

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【2011年4月14日 NASA

今年で退役することが決まっているスペースシャトルの引退後の展示先が発表された。また、ガガーリンの飛行直前に人形と犬を乗せて打ち上げられたボストークのカプセルがオークションにかけられ、288万ドルという破格の価格で落札された。


(アトランティス号がケネディー宇宙センターで一般公開されているイメージ)

アトランティス号がケネディー宇宙センターで一般公開されているイメージ。クリックで拡大(提供:AP)

(オークションにかけられたボストーク3KA-2の画像)

オークションにかけられたボストーク3KA-2。クリックで拡大(提供:Sotheby)

1981年の初飛行から30年、スペースシャトルは今年3月にディスカバリー号が最後のフライトを終えた。エンデバー号は5月、アトランティス号は7月にそれぞれ最後のフライトを終える予定で、その歴史に幕を下ろすことになる。

引退後は博物館などで展示されるが、その場所が発表された。ディスカバリー号はスミソニアン国立航空宇宙博物館の別館にあたるバージニア州のスティーブン F. ウドヴァーヘイジー・センターが、エンデバー号はロサンゼルスのカリフォルニア科学センターが、アトランティス号はフロリダのケネディ宇宙センター来客用総合施設がそれぞれ引き取り、一般に公開される予定となっている。また既にスティーブン F. ウドヴァーヘイジー・センターで展示されているスペースシャトルの試作機、エンタープライズ号はニューヨークにあるイントレピッド海上航空宇宙博物館へと移送される。

数百にも及ぶ関連部品などは全米の様々な施設で公開される。例えば様々なシャトルのシミュレーターはシカゴにあるアドラープラネタリウムやマクミンヴィルにあるエバーグリーン航空宇宙博物館などに引き取られ、船長(commandar)のシートなどはヒューストンのジョンソン宇宙センターに引き取られることが発表された。また、スペースシャトルの耐熱タイルなどは技術の共有や歴史を学ぶ目的で学校や大学への提供も受け付けている。

最近決まった、歴史に名を残した宇宙船の行き先の話題をもう1つご紹介しよう。世界で初めて宇宙飛行をしたガガーリンの乗ったカプセルと同型機で、実際に人型のマネキンと犬を乗せて1961年3月25日に打ち上げられたボストーク3KA-2というカプセルがサザビーズのオークションにかけられた。落札者はロシアの実業家エフゲニー・ユルチェンコ氏で、値段は288万ドル(日本円で約2億4000万円)。これは宇宙に関連した人工物ではおそらく世界で最も高い落札価格だと思われる。

ユルチェンコ氏は落札後、ロシアの科学館などで展示してほしいと語っており、近いうちにロシアとアメリカ、それぞれで世界の歴史に残る宇宙船が広く一般に公開されることになりそうだ。