小学生200人が滋賀県の星空で光害調査
【2011年4月20日 ダイニックアストロパーク天究館】
滋賀県多賀町の小学生200人が2010年の夏と冬に星空観察をした結果から近辺の光害の状況をまとめたレポートが作成された。子供たちの星空への関心と環境意識を高めるための取り組みの一環として行われたもので、送付を申しこめばレポート冊子を見ることができる。
200人の子どもたちによる光害調査
光害の調査による光害地図の作成は環境省による星空継続観察などによって行われていますが、滋賀県多賀町では200人以上の小学生に呼びかけ、自分たちの住む町の星空調査を行いました。数度にわたる調査は子どもたちの環境意識を大きく高揚させるものとなりました。
滋賀県多賀町では2010年の夏休みと冬休みに町内の小学4〜6年生に呼びかけ、それぞれの自宅での星空の見え方調査を行いました。夏休み(7/21〜8/26)の調査では肉眼で夏の大三角の中に見られる最微光星(限界等級)を調べ、212名の観測で666件のデータが得られました。そのデータから町内の各集落での限界等級の分布をあらわした地図が作成され(画像1枚目)、近隣の市街地である彦根市からの距離と限界等級の相関が得られました。
しかし、使用した星図が4.4等の星までしか対応していなかったことと、彦根市から離れた山間地であるにもかかわらず暗い星が見えない地域もあることが確認され、再度の調査が必要とされました。
この反省点をふまえ、冬休み(12/22〜1/6)の調査では5.4等まで対応した星図と観察地での外灯の有無などについての調査シートを用意して観察が行われました。冬休みの観察では212名により402件のデータが得られましたが、この観察からは夏休みに得られた限界等級の分布が再度確認されるとともに、山間地での限界等級のばらつきが近隣の外灯の影響であることが推測されました。さらにこの結果は2011年1月24日〜2月6日の環境省主催全国星空継続観察での双眼鏡による観察でも確認されました。
今回の星空調査では多くの児童が積極的に参加し、調査シートに書かれた感想から観察を通じて子供たちの星空への関心と環境意識が日ごとに高まっていく様子が確認できました。これらの星空調査の結果は2011年10月1日(土)に多賀町で開催される第23回「星空の街・あおぞらの街」全国大会で発表される予定です。
今回の星空調査をまとめた「多賀町星空かんさつレポート」が第23回「星空の街・あおぞらの街」全国大会大会事務局により作成されました(画像2枚目)。この冊子をご希望の方はダイニックアストロパーク天究館までメールまたはFAXでお申込みください。郵送料等は不要ですのでお気軽にご請求ください。
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