地球に接近した小惑星2005 YU55の動画が公開
【2011年11月10日 NASA(1), (2)/ケック望遠鏡】11月15日更新
日本時間9日朝に地球に約32万kmのところまで接近した小惑星2005 YU55を撮影した動画が作成され、公開された。またケックII望遠鏡によって撮影された、初めての赤外線による画像も公開された。
米国カリフォルニア州ゴールドストーンにあるNASAの深宇宙ネットワークアンテナが、地球に接近した小惑星2005 YU55を捉えた画像から動画が作成され、公開された。地球最接近前の11月7日午前11時24分から13時35分(太平洋標準時)にかけて撮影された画像から作成されたもので、レーダーを使って撮影された地球近傍の天体としては、最も高解像度なものとなっている。
6フレームからなるこの動画を見ると小惑星の表面が複雑な構造をしているのがよくわかる。画像が撮影されたときは地球から約138万km離れたところにあり、1ピクセルあたり4mの解像度で撮影された。
一方、ハワイ・マウナケア山頂にある口径10mのケックII望遠鏡でもこの2005 YU55が撮影された。近赤外線で撮影した画像が公開されたが、2005 YU55の赤外線画像が取得されたのはこれが初めてのことだ。この小惑星は衛星などを引き連れておらず、予想していたよりもやや小さいことがわかった。
(11月15日追記)
NASAのガンマ線観測衛星「スウィフト」も、この小惑星をとらえた。11月9日の早朝(世界時)に紫外線で撮影されたもので27分の動画を10秒ほどに短縮して見せている。このとき2005 YU55は地球から約54万km離れたところにいた。上の画像を見ても、数分という非常に短い時間で大きく移動しているのがわかる。
また、これまでの動画よりもより長く、そして解像度が上がった上記動画のアップデート版も公開されている。
アストロアーツの投稿画像ギャラリーにも小惑星2005 YU55を捉えた画像を投稿いただいた。「特集:2011年11月 地球に接近した小惑星2005 YU55」をご覧ください。