シナリオ作りから投影解説まで、小学生がプラネタリウム番組作りに挑戦

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【2013年2月6日 アストロアーツ】

シナリオ作りから映像制作、解説まで全て自分たちの手で行う「こどもプラネタリウム番組制作教室」。参加した小学生の子供たちが成果を披露する投影発表会が、2月3日に「かわさき宙と緑の科学館」で行われました。


「ステラドームスクール」の操作画面

プラネタリウム番組制作ソフト「ステラドームスクール」の操作画面。画面右側の演出パーツを下のタイムラインに並べて簡単に作成できる。クリックで拡大

参加者のみなさん

当日は残念ながら1人がインフルエンザで欠席したものの、いっしょに作りあげた番組を14人でしっかりと披露。教室を指導した米倉先生(後段左端)、山口先生(後段右端)と。クリックで拡大(撮影:アストロアーツ)

参加した小学生の子供たち15名が挑んだのは「自分たちの手で作るプラネタリウム番組」です。月1回の制作教室を通して、シナリオを練り、番組をプログラミングし、投影機器の操作を覚え、解説を練習してきました。そして半年間にわたる教室の成果が2月3日、神奈川県川崎市の「かわさき宙と緑の科学館」で発表されたのです。

投影は前後半あわせて約40分。前半は「メガスター」を使った星座解説です。「かわさき宙と緑の科学館」のプラネタリウムは、日周、昼光、夕焼け(赤、青、黄の3色)、太陽、月、惑星のそれぞれを個別で操作するフルマニュアルシステムです。各担当がしっかり連携して操作しないと、日の入りから夜空までの演出ができません。

また演出操作だけではなく、さらに大事なポイントを指導担当の米倉先生から教えてもらいました。「自分たちで夕方の空を観察して、空の明るさの変化や星の見え方を観察して表現してみましょう」。

この日ドームには、夕方から宵にかけての美しくリアルな空が映し出されていました。きっと夕方の空の観察を何度も重ねたのでしょう。自分で再現しなければならないと思って空を見上げることは、観察力を養ううえでも大いに役立ったと思います。

時間は夜へと進められ、解説やボリュームの操作、ポインタの指示などを交代しながら、冬の星座解説まで見事な連携で無事終了。

後半は「ステラドーム」を使った「太陽系フライトツアー」です。このパートの制作には、演出パーツをブロック感覚で組み合わせて番組を作成できるソフト「ステラドームスクール」が使われています。

1月に制作風景を見学しましたが、今の小学生はすごい! パソコンを使い慣れているので、どんどん演出を組み上げていきます。子供たちにもプラネタリウム番組制作を体験してもらいたいという目的で作成したソフトですから、開発者としてうれしい限りです。

今回の投影では見学時よりさらに内容が練り上げられていて、惑星の間を飛び回る速度や接近したときの惑星の大きさなどが見やすいよう工夫されているのに感心しました。生まれたときからパソコンがある環境で育った子供なのだと、改めて実感しました。

時間を進めて春の星座の解説、そして夜明けを迎えて投影が終わると、観客からは大きな拍手。子供たちも満足そうでした。

「ステラドームスクール」を通して、このような参加型の投影が増えていくよう、今後も応援していきたいと願っています。

今回の発表会の様子は、星ナビ4月号(3月5日発売)にも掲載予定です。

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