日本の空に姿を現したパンスターズ彗星

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【2013年3月8日 アストロアーツ】

3月10日の近日点通過を前に、パンスターズ彗星(C/2011 L4)がいよいよ日本の空にも姿を現した。薄明や春霞の影響のため確認が難しい中でとらえられたパンスターズ彗星の像をお送りしよう。


3月8日のパンスターズ彗星(C/2011 L4)

パンスターズ彗星(C/2011 L4)。クリックで全体を表示
撮影者:門田健一/2013年3月8日 18時7分(日本時)露出 0.04秒〜1秒×18枚コンポジット/18cm F5.5反射望遠鏡+冷却CCD、Iバンドフィルター使用/撮影地:埼玉県上尾市

撮影に成功したのはアストロアーツのプログラマーの門田健一。門田は、新天体の確認観測や回帰してきた周期彗星の低空での検出などで精力的に活動している天体観測者だ。3月8日の夕方、日没から30分と経っていない薄明の残る空の中で、地平高度5度を切った彗星の姿を見事にとらえた。

以下、門田のコメントを紹介しよう。

明るい彗星なので、もっと楽に写ると思ったのですが、春霞に加えて雲の通過があり、薄明中の低空観測は難しかったです。Iバンドフィルターを使っても薄明は強烈に明るく、低くなるまで撮像できませんでした。

日没前に望遠鏡の位置を太陽で同期して彗星の方向に向け、日没時より最短露出時間の0.01秒で撮像を続けて、飽和状態から抜けるのを待ちました。

存在を確認したのは18時00分で彗星の高度は4.8度でした。薄雲で透明度はかなり低く、ボケた小さな淡い像でした。空の明るさに応じて露出時間を長くしながら撮像を続けて、18時12分に高度2.6度で電線が重なった地平に沈みました。