初めて明かされた系外惑星の雲の分布

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【2013年10月1日 NASA

巨大ガス惑星「ケプラー7b」の観測研究から、その表面に明るい領域が見られるのは雲からの反射によるものであることが判明した。系外惑星の雲の分布が明らかになったのは初めての例となる。


ケプラー7bと木星

ケプラー7bは、探査衛星「ケプラー」がミッション初期に見つけた木星型巨大ガス惑星だ。大きさは木星(右)の1.5倍、重さはたったの半分とひじょうに低密度なのが特徴。クリックで拡大(提供:NASA/JPL-Caltech/MIT)

米マサチューセッツ工科大学のBrice-Olivier Demoryさんらが観測したのは、こと座の方向にある系外惑星「ケプラー7b」だ。月のように満ち欠けするのが観測されており、この惑星は地球から見て西側に明るい領域があることが知られていた。

赤外線天文衛星「スピッツァー」で惑星の表面温度を調べたところ、摂氏800〜1000度前後と見積もられた。中心星から0.06au(太陽〜水星の約7分の1)と近く、探査衛星「ケプラー」の可視光観測で検出できるほど明るい割には低温であることから、この惑星に上層大気の雲があり、それが中心星の光を反射していることがわかった。大ざっぱではあるものの、系外惑星表面での雲の分布が判明した初めての例となる。

「ケプラー7bは既知の系外惑星の中ではかなり反射率が高い天体で、これは雲の存在によるものだと考えられます。雲の模様は地球とは違ってあまり変化がなく、とても気候が安定しているようです」(NASAの研究員Thomas Barclayさん)。

今回の研究を布石として、地球に似た惑星の大気も同様の手法で調べられると期待される。


ステラナビゲータで系外惑星の位置を表示

ステラナビゲータでは、700個を超える「惑星の存在が確認された恒星」を追加天体として「コンテンツ・ライブラリ」で公開しており、ケプラー7(中心星)が存在する方向を星図に表示できます。ステラナビゲータをご利用の方は、ステラナビゲータの「コンテンツ・ライブラリ」からファイルをダウンロードしてください。

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