惑星系の前駆天体の構造を解明
【2014年5月23日 国立天文台 野辺山】
野辺山45m電波望遠鏡と南米チリASTE 10m電波望遠鏡を用いて行われた、太陽の約2倍の質量を持つ天体に付随する原始惑星系円盤の観測から、ガスの密度分布と温度分布の構造が明らかにされた。
地球や木星をはじめとする惑星は、原始惑星系円盤と呼ばれるガスと塵でできた円盤形状の天体の中で形成されると考えられている。つまり、惑星や惑星系がどのように形成され、現在見られるわたしたちの太陽系がどのようにして形成されたのかを理解するには、この母体となる原始惑星系円盤を詳しく調べることがひじょうに重要である。
国立天文台の秋山永治氏らの研究グループは、野辺山45m電波望遠鏡と南米チリのASTE 10m電波望遠鏡を用いて、おうし座にある太陽の約2倍の質量を持つ恒星MWC 480に付随する原始惑星系円盤を観測した。
その結果、円盤内のガスの密度分布と温度分布の構造が明らかになった。複数の理論計算によって観測結果を再現したところ、中心星の光が直接当たる円盤表面付近では高温、光が届きにくい円盤内部では低温となり、厚さ方向に温度勾配があることがわかった。
また、これまで考えられていたよりはるか遠くまでガスが薄く広がっていることもわかった。円盤外縁部では円盤内縁部からガスや塵がゆっくりと移動し、やがて宇宙空間に散逸して現在見られるわたしたちの太陽系のようなガスが晴れた惑星系が形成されていくと考えられる。