DSCOVRがとらえた美しい地球
【2015年7月27日 NASA】
「DSCOVR」は太陽風をモニタリングし宇宙天気予報に利用するため、米海洋大気庁(NOAA)とNASAなどによって運用されている人工衛星だ。今年2月に打ち上げられ、6月に観測点である第一ラグランジュ点(地球と太陽の間、地球から約150万kmのところ)に到達した。
DSCOVRには紫外線から近赤外線まで10種類の波長で画像を撮影できるカメラ「EPIC」が搭載されており、今回の画像はそのうち3波長を合成して作られている。画像が全体的に青っぽく見えるのは大気で散乱された太陽光の影響によるものだ。
観測データは、オゾンやエアロゾルの濃度、雲の高度、植物資源、地球の紫外線反射率などの計測に役立てられる。EPICが定期的なデータ取得を開始すれば、連日、撮影から12時間から36時間後に画像データが利用可能となる。画像は9月から公開予定となっている。
「EPICの解像度はすばらしく期待以上に高品質でした。砂漠の模様や河川系、雲の複雑なパターンなどがはっきりと見られます。今後、科学者にとって莫大な価値のある新データが得られるでしょう」(DSCOVRプロジェクト・サイエンティスト Adam Szaboさん)。
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