2008年 夏の星空三昧
月の名所をめぐってみよう
夜空に輝く天体の中でもっとも明るい天体といえば、もちろん月です。月は私たちの住む地球のただひとつの衛星で、大きさは地球の約4分の1、平均距離38万キロメートルの軌道を回っていて見かけ上の大きさは太陽と同じくらいです。
月はまた肉眼でその模様を見ることのできる唯一の天体で、しかも満ち欠けをするので、初心者の観望にはもってこいです。
月齢
新月から数えた日数のことを「月齢」といいます。月と太陽が同じ方向にあるときを新月(あるいは朔)と呼び、このときの月齢を0とします。
月は太陽から東側に向かって離れていき、翌日の日没直後には西の地平線すれすれで細い弧を描いています(実際に見るのは困難です)。これが月齢1(二日月)の月です。その後、さらに東へ移動しながら毎日少しずつ太くなっていきます。そして新月から約1週間後、太陽から90度東に離れたところで半月(上弦の月)となります。このときの月齢は約7です。
月はその後も太陽から離れ、太陽から180度、つまり太陽の正反対側に来たときに満月となります。このときの月齢は約15(十五夜)。さらに東に回って270度のとき(西回りの角度を測れば90度)の半月(下弦の月)は月齢が約22、そして約29.5日たつと新月になり、ふたたび月齢0に戻るのです。
観察のポイント
月を観察するときのポイントは、欠け際を観察することです。そこは月で言えば、昼と夜の境目。地球上でも明け方や夕方の方が昼間よりも影が長いことからわかるように、太陽光が横から当たるので、クレーターなどの地形がはっきりと見えます。
夕方から夜半前までの時間帯に観察するのであれば、三日月から満月のころがよいでしょう。逆に、月以外の天体を観察する場合は月明かりが邪魔になってしまうので、下弦から新月のころが最適と言えます。天体観察の計画を立てるときは月齢を確認しておきましょう。「月齢カレンダー(ページ右上の月齢アイコンをクリックすることでも表示できます)」を役立てて下さい。
それでは、宵の空で観察できる月をご案内しましょう。pdf形式の月面マップ(倒立像)も用意しましたので、望遠鏡でいろいろな地形を探してみてください。まだ望遠鏡をお持ちでない方には、アストロアーツオンラインショップで紹介されている組み立て天体望遠鏡がおすすめです。
上弦(月齢7)
月−地球−太陽の角度が90度になるころの月です。西に傾いて沈むときに、弓の弦にあたる欠け際を上にして沈むところに名前の由来があります。
上弦の月は昼ごろに昇って夜半に沈むので、見やすい月と言えるでしょう。
満月
「望(ぼう)」とも言います。地球をはさんで月と太陽が反対方向に位置し、地球側の月面に正面から太陽光が当たる状態です。
満月の月は真上から太陽光線があたり、クレーターなどの影が少なくのっぺりとした印象になってしまうので、月の地形を楽しむという点では実はあまり向いていないということになります。
しかし、今まで目立たなかった小さなクレーターでも、まわりに光条が輝きだすものがあったりして、欠け際で見た印象とはまったく違った光景を楽しむことができます。