インドの月探査機「チャンドラヤーン3号」、打ち上げ成功
【2023年7月18日 インド宇宙研究機関/アメリカ惑星協会】
日本時間7月14日18時05分(現地時間14時35分)、インド宇宙研究機関(ISRO)の月探査機「チャンドラヤーン3号」を搭載したLVM3ロケットが同国サティシュ・ダワン宇宙センターから打ち上げられた。探査機は予定どおりロケットから分離し、地球を周回する楕円軌道に投入された。現在は徐々に高度を上げながら、月へ針路を変えるときに備えている。
チャンドラヤーン3号はインドによる3回目の月探査ミッションで、着陸機と探査車および推進モジュールで構成されている。この後1か月ほどかけて高度約100kmの月周回軌道に入り、8月23日か24日ごろに、推進モジュールから分離された着陸機が月の南極付近への軟着陸に挑む。着陸が成功すれば、ロシア(旧ソ連)、米国、中国に次いで4か国目となる。
インド初の月探査機「チャンドラヤーン1号」は2008年に打ち上げられた。1号は周回機と衝突装置からなり、装置は予定どおり月面衝突を果たしている。2019年に打ち上げられた「チャンドラヤーン2号」は周回機と着陸機からなり、衝突ではなく軟着陸を目指したが、着陸機の降下中に通信が途絶えた。
チャンドラヤーン3号は2号の失敗を受けて計画されたミッションで、周回機と着陸機の基本設計は2号のものと似ている。着陸予定地点が月の南極域なのも2号と同じだ。2号ではソフトウェアのトラブルが着陸失敗の原因だったとされるため、徹底的なアップデートと試験が重ねられている。また、2号の周回機は現在も稼働していて、3号が取得したデータを地球へ送信するための中継役を担う。
〈参照〉
- ISRO:LVM3-M4-Chandrayaan-3 Mission: Mission status
- Twitter(@isro):LVM3 M4 vehicle successfully launched Chandrayaan-3 into orbit
- The Plantary Society:Chandrayaan-3, India's Moon lander and rover
〈関連リンク〉
関連記事
- 2024/05/07 中国の月探査機「嫦娥6号」、打ち上げ成功
- 2023/08/24 インドの「チャンドラヤーン3号」が月の南極付近に着陸
- 2023/08/15 ロシアの月探査機「ルナ25号」、打ち上げ成功
- 2019/09/17 月探査機「チャンドラヤーン2号」の着陸機、依然通信できず
- 2019/07/23 インドの月探査機「チャンドラヤーン2号」、打ち上げ成功
- 2009/11/16 エルクロス、月に水の存在を検出
- 2009/10/15 エルクロス、月面に衝突
- 2009/10/05 10月9日、エルクロスが月面衝突実験
- 2009/09/29 LRO、月の永久影の温度を明らかに
- 2009/08/31 月面に残されたアポロ14号の軌跡
- 2009/07/29 LRO、アポロ着陸地点をとらえる
- 2009/07/07 月探査機ルナー・リコナサンス・オービターの初画像
- 2009/06/19 NASA、2つの月探査機を打ち上げ
- 2008/05/12 月探査機ルナー・リコナサンス・オービターで、あなたの名前を月へ