【訃報】新天体通報窓口や、天文雑誌の写真選評を務められた佐治天文台名誉台長、香西洋樹さん

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2026年3月26日、元国立天文台助教授で佐治天文台名誉台長だった香西洋樹先生が逝去されました。93歳。

【2026年4月13日 星ナビ編集部

寄稿:織部隆明さん(さじアストロパーク・佐治天文台)

香西先生は長らく東京大学東京天文台(現 国立天文台)の新天体通報窓口として活躍され、多数の新彗星や新星の確認作業等に関わられ、新天体発見王国・日本を支える大きな役割を果たされました。天文雑誌「天文と気象(後「月刊天文」)」の読者の天体写真コーナーで長年にわたり選評を担当されたのを覚えている天文ファンも多数いらっしゃることと思います。また、光害に対する警鐘を早い時期から発信されて、環境庁(現 環境省)の「星空継続観察事業~スターウォッチング・ネットワーク~」の立ち上げ・運営に携わられ、光害が広く認知される大きなきっかけを作られました。

香西洋樹さん
2011年11月の講演会にて(提供:さじアストロパーク)

太陽系小天体の研究者としても活躍され、東京大学木曽観測所(長野県)でたくさんの小惑星を発見されるとともに、「スキッフ・香西彗星(D/1977 C1; D/Skiff-Kosa)」発見などの成果を挙げられました。スキッフ・香西彗星は1977年に発見された(正確には1986年に発見され、1977年に木曽で見つかっていた小惑星と同定された)周期7.5年の彗星でしたが、その後、行方不明となってしまいました。

鳥取県の佐治天文台にある103cm反射望遠鏡などには、香西先生のこれまでの経験に基づく工夫が多数盛り込まれていて、三鷹光器の高精度工作と相まって、天体導入精度の高さ、ピント位置の再現性や気温による変化の無さなど、大変に扱いやすい望遠鏡になっています。これまで多数の天体撮影や小惑星の発見、彗星検出などができたのも、この望遠鏡のおかげです。本当に天文界の多方面で活躍された方だったと改めて思います。長い間、本当にお疲れさまでした。ご冥福をお祈りいたします。

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