月刊ほんナビ 2025年2月号

📕 「年表とカレンダーをそろえて新年を迎えよう」

紹介:原智子(星ナビ2025年2月号掲載)

『理科年表 2025』(Amazon)

先号で少し紹介した『理科年表 2025』が手元に届き、「水曜どうでそうTV」コラボ企画の全貌がわかった。まずは、人気番組の名物ディレクター藤村忠寿氏と嬉野雅道氏をキャラクター化した特製オリジナルブックカバー(ポケット版のみ)。筆者の家人も配布対象店で入手し「ヒゲガラくんとうれシカくん」に大満足。同書はこれまでもさまざまな企画を行い「好きなアニメとのコラボだから」と初めて買った人もいた。どんなきっかけでも、理科に興味を持つことは素晴らしい。まさに「『理科』とか『科学』は、身近なところにある」。2025年版では、暦部で「土星の環の消失」、天文部で「銀河宇宙線の起源の解明に向けた研究」「すばる望遠鏡ビッグデータを使った市民天文学」を紹介している。

『天文年鑑 2025』(Amazon)

一方、『天文年鑑 2025年版』は天文分野に特化したデータ集。2025年に起こる天文現象を観測したり撮影したりするときに必要な予報・星図・月面図・撮影露出表などの資料を掲載している。また、2023~2024年にかけて起こった現象の観測結果や画像も紹介。創刊から77年にわたり、天文ファンへ役立つ情報を提供し続けている年鑑。

『星に名前をつけるなら』(Amazon)

ところで、さまざまな天文現象を紹介するときベースになるのは天体の名称だ。『星に名前をつけるなら』は天文民俗学に詳しい出雲晶子氏が著した、星の名前にまつわる解説本。恒星・惑星・衛星などの各種天体、さらには人工天体について、名前の由来や古典書における星名の比較、世界各地での呼び名、アラビア独自の星座名などを丁寧に教えてくれる。さらに、その星に関連する伝説や挿話もコラムで紹介。プラネタリウム解説員だった著者の優しい語りを聞いているような気持ちで読める。フタツキ氏の描く柔らかなイラストも、星の物語を魅力的に引き立てている。

『星空のある風景 カレンダー 2025』(Amazon)

ここからは、天文カレンダーを紹介する。『星空のある風景 カレンダー 2025』は前田徳彦氏が撮影した旅情あふれる星景写真と、上野晶氏がつづる「星空コラム」が特徴。購入者特典として、スマホ用の壁紙をダウンロードできる。

『2025年カレンダー 月齢 月の満ち欠けカレンダー』(Amazon)

『月齢 月の満ち欠けカレンダー』はその名の通り、月の満ち欠けを全面に押し出したもの。シンプルなデザインで月の形が目立ち、月齢もよくわかる。月のリズムを感じながら暮らしたい人にぴったり。

『ビクセンオリジナル 天体 カレンダー 2025年版』(Amazon)

『ビクセンオリジナル 天体 カレンダー 2025年版』は公募により集まった天体写真の中から、「星の村天文台」名誉台長の大野裕明氏が厳選し、評価コメントを添えて掲載。惑星や星雲などの天体に迫った写真、創意工夫を凝らして天文現象を収めた一枚、季節感あふれる星空風景などバラエティに富み、「どんな写真が登場するか」と毎月めくるのが楽しくなる。

『星空こよみ ASTROGUIDE CALENDAR 2025 壁掛け版』(製品ページ)

最後は当社が制作した『星空こよみ ASTROGUIDE CALENDAR 2025』卓上版はコンパクトな紙面に必要な天文情報がぎゅっと詰まっていて、観測予定などの書き込みもできる。マンスリー下部の一言コラムは「世界で話題になった天文現象」。そして、初登場の壁掛け版は「星ナビギャラリー」掲載作品から選ばれた多彩な写真が美しい。お得な「卓上版と壁掛け版のセット」をそろえれば、きっと充実した天文一年になるだろう。

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