第50回 新ホームページ、オープン
(星ナビ2009年3月号に掲載)
長年の宿願だった、新ホームページのオープンについてお話します。
ホームページの存在
メガスターを世に広めた原動力としてホームページの存在はとても大きいものだった。もしインターネットというものがこの世になかったら、今日の僕はなかっただろうとさえ思う。ホームページを初めて立ち上げたのは1996年くらいだっただろうか。自分で全てを作り上げたサイトだったが、それから10年以上が過ぎ、次第に古臭い印象が否めなくなった。今の時代にふさわしい体裁と、最新の情報をスピーディに更新できる新サイトの構築は重要課題になっていた。
しかし簡単な道のりではなかった。旧サイトに掲載されている膨大な情報をまず完全にばらして、中身を取捨選択した上で、再構築するという作業が必要だった。そして、それは、突き詰めればメガスターとは、我々とは何者かを改めて考え直す作業でもあった。
私やスタッフ、そして制作会社の間で何度も議論が繰り返されたが、その中であらためて認識させられたことが「メガスターの多面性」だった。機器としての性能や、それを生み出した発想、技術力が看板であることはもちろんである。しかし一方で、作品としての顔、つまり作者の署名が強く認知されているところが、メガスターの決定的な特徴だろうと思う。作品であり製品でもある。相反するこの両面をいかにわかりやすく見せていくか、そのバランス加減こそがもっとも苦心したところだった。手本がなかったからである。
公開……そして試行錯誤は続く
スタッフや制作会社の献身的な努力が実り、試行錯誤の末に12月19日、新サイトがオープンした。今までとまったく違うデザインに驚かれた人も多いだろうと思う。トップページのリアルタイム星空表示機能など、今までなかった要素も盛り込まれている。
サイトリニューアルによる反響はすぐに表れた。問い合わせが目に見えて増えたのだ。まずは個人からチームへのシフトの象徴としてのホームページリニューアルは成功を収めたといっていい。けれども、まだ完成形ではない。最新の製品、技術を紹介しつつ、個人時代の息遣いまでをどのように洗練した形で見せていくか。まだまだ試行錯誤は続きそうである。
ところで星ナビも早くも創刊100号を迎えたとのこと。前身である「スカイウオッチャー誌」の頃から誌面に取り上げていただいたり、アルバイトで参加したりと関わってきた僕にとっても感慨深いことである。星ナビは今までの天文ファンのみならず、星に興味を持つ幅広い層の人々に訴求していこうというコンセプトで創刊された。誌名にもその思いが込められている。これもまた多面性なのだと思う。メガスターの持つ多面性を活かし、星ナビが志向する多面的な展開に少しでも協力していくことができたらと思う。