マーズ・オデッセイが可視光波長で撮影した写真を公開
エアロブレーキングも順調に継続中
【2001年11月20日 NASA JPL 2001 News Release(11 月 13 日)】
先月 24 日に火星周回軌道に入った NASA、JPL(ジェット推進研究所)の 2001 マーズ・オデッセイは、現在エアロブレーキング(大気の摩擦を利用して軌道を修正する手法)によって最終的な軌道調整をおこなっている。今月 2 日のニュースでは赤外線の波長で撮影した画像をお伝えしたが、そのマーズ・オデッセイから今度は可視光波長で撮影した画像が送られてきた。
今回公表された画像は、赤外線で撮影した火星の南極付近の画像の一部を可視光の波長で撮影したもの。氷の極冠の縁の部分の詳細や霞(かすみ)が写っている。大気がかすんでいるのは、数ヶ月にわたって火星で続いている巨大な嵐が巻き起こした塵が大気中にあるためである。
この画像を撮影した時のマーズ・オデッセイの位置は、火星の南極上空 22,000km 付近であった。赤外線の画像の(長辺側の)サイズは 6,500km 以上で、火星の端から端までにわたっている。また、その解像度はマーズ・オデッセイの真下の地点で 1 ピクセルあたり約 5.5km である。一方、可視光の画像のほうはアリゾナ州とニューメキシコ州を足したくらいの大きさ(約 61 万 km2)の領域をカバーしており、解像度は 1 ピクセルあたり約 1km となっている。
現在マーズ・オデッセイは火星の周りを約 15 時間で 1 周している。火星の大気を利用して軌道を調整するエアロブレーキングを続けており、来年 1 月末には火星の上空約 110km を円形に周回するような最終軌道に入る予定だ。その後 2 月上旬から火星のマッピングという任務にあたる。