木星探査機ガリレオ、まもなく最後の仕事

【2002年10月31日 JPL News Release

1989年に打ち上げられたNASAの木星探査機ガリレオが、まもなく木星の最後の周回(35周目)に入るが、その前に3つの観測を行なうとのことだ。

(木星に接近するガリレオの想像イラスト)

木星とアマルテアに接近するガリレオの想像イラスト(提供:Michael Carroll)

(エウロパの表面の写真)

エウロパの表面(提供:NASA / JPL / University of Arizona / University of Colorado)

まず1つは、木星の衛星アマルテアの観測である。アマルテアはガリレオ衛星よりも内側を回る4つの小さな衛星のうちの1つで、卵形のつぶれた形をしており、大きさは(一番長い方向で)130kmほどである。ガリレオがアマルテアの近くを通過する際に重力の大きさがわかるので、そこから質量が求められる。大きさと質量がわかれば、アマルテアがどんな成分でできているのかを推定することが可能だ。これは、衛星がどのように作られたのかという研究にも役立つ。

このほか、木星の細く薄い環を観測してチリの粒子の大きさや動きを調べたり、木星の磁気圏のようすを観測して将来の衛星探査機のためのデータを集めたりすることにもなっている。そしてその後コースを変え、来年9月に木星本体へ突入する。

また、ガリレオが撮影したエウロパの写真も公開された。赤く見えているところは、表面下にある温かい氷が上昇する一方で表面の氷が下へ沈んでいく場所だと考えられている。エウロパには氷の地表の下に海がある可能性が指摘されているが、この場所では海の成分が表面に現れてきているかもしれず、成分の研究や生命活動ができるかどうかなどを調べるのに都合がよさそうである。