「はやぶさ」のリハーサル降下試験の結果
【2005年11月8日 宇宙航空研究開発機構 プレスリリース2005】
11月4日残念ながらイトカワへのリハーサル降下が中止となった「はやぶさ」について、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が中止の原因と試験結果を発表した。
リハーサル降下当日、「はやぶさ」に搭載された近距離高度計の較正と、ターゲットマーカ視認性と画像処理機能の確認、探査ロボット「ミネルバ」の投下を目的に、日本時間4日午前4時17分に地球からの指令で「はやぶさ」は、小惑星イトカワ表面の高度約3.5キロメートルの位置から降下を開始した。姿勢制御と降下中の高度と速度の制御は、高度約700メートル付近まで順調に行われたが、自律航法機能の航法誤差が許容値を越えたことが検出されたため、日本時間同日12時30分に、リハーサルで予定されていたすべての試験を中止し、上昇する指令が送信された。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、運用終了時、「はやぶさ」探査機との通信状況は正常で、姿勢制御も良好に維持されており、また、搭載機器の状態はすべて正常だったと発表している。また、4日に自律航法・誘導機能を低高度まで試験できたことを一定の成果だとしている。
改めて、近距離域での自律航法・誘導機能の確認と、ターゲットマーカおよび「ミネルバ」の投下を目的とした再リハーサル降下が行われる。新たなスケジュールについては現在検討が進められている。