JAXA、「はやぶさ」とイトカワの豊富なデータを公開
【2007年4月25日 JAXA プレスリリース】
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ」が取得したデータを「『はやぶさ』サイエンスデータアーカイブ」として4月24日に公開した。「はやぶさ」の観測機器が取得した小惑星イトカワの200万点におよぶデータのほか、イトカワの詳細な形状モデルや「はやぶさ」の位置・姿勢データも含まれている。
「はやぶさ」サイエンスデータアーカイブはhttp://hayabusa.sci.isas.jaxa.jp/で公開されている。世界中の研究者が利用することを想定しているため英文表記ではあるが、登録やパスワード入力は不要だ。以下のデータが含まれている。
- AMICA(可視分光撮像カメラ)
- 可視光を中心とした波長の光をとらえた写真。イトカワに接近したときの画像はもちろん、打ち上げから間もないころに撮影した地球の姿も含まれている。約1600枚。
- NIRS(近赤外分光器)
- 近赤外線のスペクトルデータ。イトカワ表面における「色」の違いを調べ、その組成や由来を調べるのに役立った。ほかの天体も含め、約12万本のデータ。
- LIDAR(レーザー高度計)
- 「はやぶさ」からイトカワ表面にレーザーを照射し、反射して戻ってくるまでの時間を計測。「はやぶさ」のイトカワからの距離や、表面の局地的な凹凸がわかる。データ数約170万点。
- XRS(蛍光X線スペクトロメータ)
- 太陽からのX線を吸収したイトカワの表層が、蛍光として放つX線を観測し、成分などを調べた。X線スペクトルデータ約15,000本。
- SPICE(位置データ)
- はやぶさ探査機の位置、姿勢データ。NASAなどが開発した情報システム「SPICE」を利用。
- Shape Model(形状モデル)
- イトカワの詳細な形。立体モデルとして表示するには専用のソフトウェアが必要。最大で1,579,014点(3,145,728面)からなるデータを収録。