8月中旬に突発出現していた、はくちょう座流星群
【2007年9月12日 CBET 1055】
8月10日から19日(世界時)にかけて、はくちょう座流星群が突発的な出現を見せていたことがわかった。出現数が際だって多かったわけではないが、明るい火球が多数出現し、ヨーロッパなどで目撃されている。
8月の流星群といえばペルセウス座流星群だが、そのペルセウス座流星群が活動を終える20日ごろに見られるのが、はくちょう座流星群だ。放射点がはくちょう座κ(カッパ)の近くにあることから、はくちょう座κ流星群とも呼ばれる。出現数はピークのころでも1時間に数個程度だが、たまに明るくて爆発する流星が見られる。
国際天文学連合の中央局電子電報(CBET)で報告されたところによれば、本来のピークよりも早い、8月10日から19日(世界時、以下同)の間に、火球(とくに明るい流星)を多く含む突発的な出現がヨーロッパなどで見られた。
オランダ流星研究会(DMS)のK. Miskotte氏とC. Johannink氏によれば、13日午前0時ごろにはくちょう座流星群の出現が認められた。ZHR(理想的な観測条件と仮定した場合の1時間当たり出現数)は5程度と見積もられたものの、異常に明るい流星が多く、両氏はドイツでマイナス6等の流星を撮影している。
米国アイオワ州のP. Martsching氏は、17日午前3時57分にオレンジから白に変化するマイナス5等級の流星を、17日午前5時49分にマイナス4等の流星を目撃した。DMSのS. Dijkstra氏は18日午後9時27分50秒に、数分間残る痕(こん)を伴う、淡黄色でマイナス8等の流星を撮影した。19日午後9時38分には、Miskotte氏がマイナス4等の流星を記録している。
スペイン流星ネットワークの全天CCDおよびビデオカメラには、8月12〜13日および13〜14日の夜を中心に、はくちょう座流星群が活発な活動を示すようすがとらえられていた。ピークは13日午前0時前後、ZHRは19±4と見積もられている。10日から19日にかけて、多くの火球が確認されている。特筆すべきは、13日午前4時14分55±8秒にマドリッドでJ. Izquierdo氏とJ. Zamorano氏が撮影したマイナス9等級の大火球だ。
13日前後のピーク以外では、出現数は決して例年と比べて多くなかった。しかし、明るい火球が多く、その大部分が爆発や経路末端での増光を示したことから、比較的最近放出された彗星物質が関係しているかもしれない。
ペルセウス座流星群を観測された方は、ペルセウス座流星群と経路の異なる、明るい流星を記録してないか調べてみてはいかがだろう。