ケプラーが系外惑星5個を発見
【2010年1月14日 NASA JPL】
2009年5月に観測を開始したNASAの系外惑星探査衛星ケプラーが最初の約6週間で得たデータから、5つの系外惑星が発見された。
系外惑星探査衛星ケプラーが最初に発見した惑星は、それぞれKepler 4b、5b、6b、7b、8bと名づけられた。いずれも、高温のガス惑星 いわゆるホットジュピターで、大きさは海王星くらいから木星を上回る程度。公転周期は3.3日から4.9日で、表面温度は摂氏約1200度から1600度だ。
米・ワシントン州にあるNASA本部の天体物理学部門主任のJon Morse氏は、「ケプラーの最初の発見は、公転周期の短い、木星サイズの惑星だと予測していました。ケプラーが、より小さく、公転周期の長い惑星を発見するのは時間の問題でしょう。地球のような惑星の発見も間もなくです」と話している。
ケプラーは15万個以上の星を観測し続け、地球から見て惑星が恒星の前を横切るときに、わずかに恒星の光が暗くなるようすを検出する(トランジット法)。これまでの観測で、数百個の恒星のまわりに惑星が存在している可能性が示されており、現在観測データの詳しい分析が進められている。その中から、地上からの観測で5つの惑星の存在が確認された。発見の元となったデータは、2009年5月12日の観測開始から約6週間以内に取得されたデータである。
ハビタブルゾーン(生命が存在可能な領域)に存在する惑星が恒星の前を横切るのは、年に約1回である。トランジット法を利用して惑星の存在を確認するには、惑星の通過を3回観測することが必要とされる。そのため、ケプラーの観測は少なくとも2012年まで続けられる。
ケプラー・ミッションの科学主任研究員で、NASAエイムズ研究所のWilliam Boracki氏は、「ケプラーの観測は、果たして、生命を育めるような惑星を従えた恒星が数多く存在しているのか、それとも、この銀河系には、わたしたちしかいないのかを教えてくれることでしょう」と話している。