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星ナビ機材セレクション

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星ナビ 2006年8月号

レポート/川村 晶

2006年8月22日

携帯ゲーム機風のコントローラー

コントローラーのSTAR BOOK-TypeSは、手のひらサイズのコンパクトさで、160×160ドットの2.6インチ液晶画面と11個のキーを持つ。液晶画面には消灯可能なバックライトも装備され、暗闇での視認性は良好だ。

STAR BOOK-TypeSは、一番下の長方形のキーを押すことで起動するが、スカイポッド本体のアリミゾ部分下方にもモーターの電源スイッチがあり、こちらのスイッチを先にオンにしておく必要がある。ちなみに電源を切る場合は、STAR BOOK-TypeSのメニュー画面を呼び出して「電源オフ」を選択し、さらにスカイポッド本体の電源スイッチを切らなくてはいけない。電源が2系統になっているゆえの手順だが、やはり煩雑さは否めない。

また、操作は10個のキーで行うが、いくつかあるモードによって画面が切り替わるごとに、キーに割り当てられる機能も変わるため、最初は使いこなすのがむずかしいが、慣れると携帯ゲーム機感覚で操作できるだろう。

STAR BOOK-TypeS

STAR BOOK-TypeSは、スカイポッドの動きとリンクした星図を表示するSCOPEモード(望遠鏡)モードと、見たい天体を選択するCHART(星図)モードがある。同じ配列で上下2段にキーが並ぶので、最初は操作にとまどうかもしれない。


実際にSTAR BOOK-TypeSで自動導入を行うためには、アライメントが必要だ。その手順の詳細は割愛するが、STAR BOOK-TypeSでは20個の基準星を使う。基準星は90度以上離れた星だけを選択すると、導入精度が得られないということで、見たい天体のエリアごとに、90度以内の基準星をいくつか選ぶのが使いこなしのコツだろう。ちなみにVMC110L鏡筒を搭載し、52倍、実視界1度の視野では、夏の大三角でアライメントした時、アルビレオやM57など周辺の天体はほぼ視野中心に自動導入できた。また、デネボラ、アルクトゥールス、アンタレスでアライメントして、スピカを自動導入すると、中心はやや外れたものの、視野内には導入できていた。導入したまま20分間放置してみたが、スピカは視野からはずれることなく自動的に追尾されていることを確認できた。小型の鏡筒を搭載して、ベランダや窓際からのちょっとした観望では、高精度の自動導入はもちろん、高精度の自動追尾がより有用だろう。

基準星や導入したい天体は、液晶画面に表示される星図からも、一覧メニューからも選択できる。星雲星団などをメニューから選んで自動導入して、もしも視野内に見つけられないときは、星図に表示されている周辺の星を基準星としてアライメントしてから、再度導入すると精度よく自動導入できるはずだ。

ホームポジション

ホームポジションは鏡筒が真西。起動直後の星図は西の地平線が中心だ。

星図

星図はズーミングが可能。導入したい天体は画面中央に表示させる。

天体選択

星図だけでなく、明るい恒星、惑星、星雲星団は名前や番号でも選択可能。


■STAR BOOK・Type-S仕様一覧
CPU 32bit RISCプロセッサ CS89721
画面 TN型2.6インチモノクロ液晶
電源 単3アルカリ電池8本
動作時間 約8時間(連続使用・20℃・新品アルカリ電池使用時)
大きさ 縦85×横134×厚さ38mm
重さ 165g(電池・ケーブル除く)
記憶天体数 総数22725個