2007年8月28日 皆既月食
皆既月食の見え方
現象の時刻
図は、地球の影の中を通過する月のようすと、それに伴う各現象の時刻を示したものです。
表にまとめると、以下のとおりです。
月食の進行 | 時刻 |
---|---|
半影食の始め | 16時52.2分 |
欠け始め | 17時50.9分 |
皆既食の始め | 18時52.0分 |
皆既食の最大 | 19時37.3分 |
皆既食の終わり | 20時22.7分 |
部分食の終わり | 21時23.8分 |
半影食の終わり | 22時22.4分 |
現象 | 札幌 | 仙台 | 東京 | 京都 | 福岡 | 那覇 |
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月の出 | 18時14分 | 18時09分 | 18時11分 | 18時27分 | 18時47分 | 18時51分 |
日没 | 18時19分 | 18時15分 | 18時16分 | 18時31分 | 18時51分 | 18時55分 |
薄明終了 | 20時01分 | 19時47分 | 19時45分 | 19時59分 | 20時17分 | 20時14分 |
月食中に起こる恒星食
皆既月食中に、4.8等の恒星「みずがめ座σ星」が月に隠される現象が起こります。月による恒星の食は、月自身の明るさのため見えにくいのですが、今回は皆既月食によって月の明るさがぐっと押さえられているので、しっかりと楽しむことができるでしょう。
みずがめ座σ星は、月の南東側に潜入します。東京では皆既食の最大をすぎた19時47分ごろのことです。一方、出現するころ(東京では20時32分)には多くの場所で皆既食が終わっています。
各地の現象時刻とそのときの月の高度は、以下の表のとおりです(データ提供:国立天文台 相馬充氏)。
観測地 | 潜入 | 出現 | ||
---|---|---|---|---|
時刻 | 高度 | 時刻 | 高度 | |
札幌 | 19時57分07秒 | 16゚ | 20時51分02秒 | 24゚ |
仙台 | 19時51分07秒 | 17゚ | 20時39分56秒 | 25゚ |
東京 | 19時47分37秒 | 17゚ | 20時32分31秒 | 25゚ |
京都 | 19時43分15秒 | 14゚ | 20時27分57秒 | 22゚ |
福岡 | 19時38分27秒 | 9゚ | 20時20分15秒 | 17゚ |
那覇 | 19時43分19秒 | 10゚ | 19時48分44秒 | 11゚ |
双眼鏡で観察しよう
皆既月食の見どころは、月面の色や明るさとその時間変化です。微妙な違いを楽しむためには、やはり月を拡大したいところ。手軽さも考えれば、双眼鏡で観察するのが一番ではないでしょうか。
天体観察用の双眼鏡にもいろいろな機種があり、星雲星団を観察するときには「10×50(10倍で口径50mm)」や「12×50」ですが、月食の場合は「ひとみ径7mm」のものが有利です。ひとみ径とは、双眼鏡や望遠鏡を明るい方向に向け、その接眼レンズをやや離れてのぞき込んだときに見える明るい円のこと。詳しい解説や、双眼鏡を選ぶときのポイントは月刊天文雑誌「星ナビ」9月号の特集記事「皆既大作戦」をご覧ください。
もっと知りたい方のために
8月28日の皆既月食を見るために必要なことすべてが、この1冊に書かれています。月刊天文雑誌「星ナビ」2007年9月号は、特集「皆既大作戦」や夏のイベント情報など盛りだくさんの増ページ特大号。
天文シミュレーションソフトウェア「ステラナビゲータ Ver.8」を使えば、あらゆる場所から見た月食のようすを再現できます。地平線を再現することもできるので、気になる正確な月の出時刻などもわかります。(最新版は Ver.9 です)