12日未明の東の空で、月と木星が大接近しています。肉眼でも楽しめますが、双眼鏡や望遠鏡で同じ視野に収まった月のクレーターや木星の衛星を見るとより堪能できます。
月と木星の大接近を見る
宵っ張り or 早起き、どちらでもOK
11日深夜から日付が変わるころ、月と木星がすぐそばに寄り添いながら東の空に現れる。下弦を少し過ぎた月とマイナス2.2等の木星はよく目立ち、肉眼でもその輝きを楽しめそうだ。
時間が進むとともに月と木星は少しずつ接近し、午前5時前後には東京で視野25分以内まで近づく。下の表を参考に、早起きして朝が白み始める直前の時間帯を狙うのもいいだろう。
また、夏の深夜には冬の星々も見られるのでこちらも注目したい。月と木星のすぐ右(西)側にはおうし座のアルデバラン、上側にはすばる(プレアデス星団)。夜明け前ならオリオン座も姿を表している。翌夜にはペルセウス座流星群がピークとなるので、気の早い流れ星も見られるかもしれない。
主な都市の月の出と日の出時刻
| 札幌 | 仙台 | 東京 | 名古屋 | 大阪 | 広島 | 鹿児島 | 那覇 |
月の出 | 23:18 | 23:34 | 23:46 | 23:59 | 00:06 | 00:20 | 00:34 | 00:57 |
日の出 | 04:36 | 04:47 | 04:57 | 05:09 | 05:16 | 05:29 | 05:41 | 05:59 |
双眼鏡や望遠鏡でもっと楽しむ
双眼鏡があれば、月と木星、アルデバランを同じ視野に入れて見ることができる。同じ視野ではないが、すばるも双眼鏡で見応えのある天体なので忘れずに見てみよう。
望遠鏡の狭い視野にも、月と木星が一緒に収まる。月のクロースアップとガリレオ衛星を一度にとらえてみよう。この日はガニメデが東側によく見える。
木星に比べて月の方が地球にずっと近いため、観測地点によって月と木星の相対的な位置が変わる。小笠原、フィリピン、グアム、ハワイなどでは月が木星を隠す「木星食」が見られる。
月と木星の最新トピック
おすすめグッズ
- 口径5cmアクロマート(色消しレンズ)のコルキットKT-5cm望遠鏡と木製の大型三脚のセット。自分で組み立てた望遠鏡ではじめてみる月のクレーター、金星の満ち欠け、土星の環、木星の衛星は格別。
- 「コルキット KT-5cm」
- 太陽系の誕生や歴史から惑星、小惑星、彗星などの天体まで、写真やイラストでわかりやすく解説。
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- 3D球体パズルシリーズの木星儀。ピース数は60で比較的簡単に組み立てることができる。解説書付き。
- 木星儀 - THE JUPITER -(販売終了)
で月と木星の接近を見る
「ステラナビゲータ」の機能を利用して月と惑星の毎日の変化を事前に確認しておくと、観察・観望の助けとなる情報が得られて実際の現象がよりいっそう楽しいものとなるだろう。特に写真撮影を計画している場合、構図決めにたいへん役に立つ。
8月12日から16日にかけての早朝、月が次々と惑星に接近する。日毎に細くなっていく月と、惑星たちはどのように接近していくのだろうか。
ステラナビゲータ9を起動させたときの初期画面は、起動時の日時(PC内部時計の現在時刻)で、南を向いた地平座標の星図で表示される。そこで、天文現象をシミュレートするためには、まず目的の天文現象が起こる日時を設定する(↓)。また、今回の接近は夜半過ぎから明け方の東の空で起こるため、星図の方角を東にする(↓)。
そのほかにも、天体の名称を表示したり、星図の視野範囲をズームインして、月と惑星の接近の詳細を眺めたり、双眼鏡の視野円の表示(↓)や写真撮影のための写野角の表示(↓)をしたりと、有用な機能が満載だ。いろいろな設定を試して使いこなそう。
ステラナビゲータ9の各部名称
日付を設定する
↑ステラパッドの日付と時刻の数字部分をクリックすると任意の日時に変更できる。ステラパッド上でマウスを押し続けると、アニメーションのような連続描画もする。
←[日時]ダイアログでは、カレンダーから新月の日を選んだり、日の出前・日の入り後の一定の時刻に固定したりといった設定もできる。
↓[日時]ダイアログを表示するには、メニューバーの[設定]から[日時]をクリックするか、設定バーから[日時]をクリックする。
方角を設定する
今回は明け方、東の空の現象のため、方角を東に設定しなければならない。方角を変える方法としては、設定バーの[方位]から[東]をクリックする方法が簡単で便利。他に星図をドラッグしたり、スクロールバーを使ったりする方法と、メニューバーの[視野]から[方位]を選択して、[東]をクリックする方法もある。
惑星名を表示する
リボンバーの[惑星・衛星]タブには、惑星名や等級を表示するためのボタンがある。惑星は移動するので位置を把握しやすくするためにも、惑星名称は常にオンでよいだろう。
視野円を表示する
リボンバーの[視野・写野]タブには視野円の[表示]ボタンがある。双眼鏡や望遠鏡で観察するとき、どれくらいの範囲が見えるのか見当をつけるのに便利。デフォルトでは一般的な双眼鏡の視野である7度になっている。8月12日の月と木星の接近では、近くにヒヤデス星団があって面白いが、両方を同一視野に入れるためには10度くらいの視野が必要であることがわかる。
写野角を表示する
リボンバーの[視野・写野]タブにある[撮像エリア]をクリックすると、カメラ撮影のための写野が表示される。ただ、[表示形式]が[地平座標]になっていると、写野角が曲がって表示されてしまうので、構図を検討する場合には[表示形式]で[心射図法]を選ぼう。
[心射図法]では写野角の辺が直線となり、写真の構図を検討するには最も適した星図となる。写野角の設定では、デジタルカメラの機種一覧から選択すると、カメラとレンズ焦点距離との組み合わせで画角が表示される。[詳細]ボタン、あるいはメニューバーの[天体]から[視野・写野]をクリックすると[視野円・写野角]ダイアログが開き、さらに細かい設定ができる。