アイソン彗星を撮る

星空写真が初めてでも彗星がきれいに撮れる、ちょっとしたコツ

彗星が明るいとき

彗星が明るい時は固定撮影で

三脚にカメラを載せて固定撮影(撮影協力:ウェザーニュース 山岸愛梨さん)

きれいな月を携帯カメラで撮影してがっかりしたことはありませんか。天体は、目で見た時と撮影した時の印象が大きく異なる被写体ジャンル。特に、淡い彗星の場合は肉眼や小型双眼鏡で見えてもなかなかうまく写ってくれません。

11月末から12月初めごろ、アイソン彗星がもっとも明るい時期なら、カメラを三脚に載せて遅めのシャッター速度で撮影すれば彗星をしっかりとらえることができます。

<必要なもの>
マニュアルモード機能付のデジタルカメラ、三脚

マニュアル撮影ができるカメラ

「マニュアルモード」での撮影が可能なカメラと少しの工夫さえあれば、驚くほどたくさんの星が写る

1.マニュアルモード機能付きのカメラを使う

彗星など天体を撮影するには、マニュアルモードでの撮影ができるデジタル一眼レフやミラーレス一眼などのカメラを使います。

じょうぶな三脚に載せてしっかり固定します。

撮影の設定

2.たくさん光を取り入れるための撮影設定

シャッター速度を遅めにして長い時間光を取り入れることで、淡い彗星もしっかり写ります。「マニュアルモード」にして、以下のように設定します。

  • レンズの絞り(F値):開放(数値が最小)
  • ISO感度:800〜1600
  • 露出時間(シャッター速度):空の明るい市街地では2〜8秒、空の暗い場所では10〜60秒程度

空が明るくなってからは撮影モードを絞り優先モード(A)にして、露出補正で明るさを調整しましょう。明るすぎたり暗すぎる場合はシャッター速度で調整します。

明るい恒星を使ってピントを合わせる

明るい恒星を使って、天体の像がシャープになるようにピントを合わせます

3.明るい星でピント合わせ

夜空は暗いので、オートフォーカス(AF)機能ではピントが合ってくれません。マニュアルフォーカス(MF)に設定して、ライブビュー画面に適当な明るい恒星や惑星を入れてピントを合わせ、固定します。

リモートコントローラでシャッターぶれを防ぐ

リモートコントローラなどを使えば、シャッターぶれを起こさず撮影できます

4.シャッターぶれを起こさない工夫を

シャッターを押す時の振動でカメラが動いてしまうと、遅いシャッター速度では像が大きくぶれてしまいます。カメラのタイマー機能や、リモートコントローラなどを活用しましょう。

2007年、昼間の青空の中で見えたマックノート彗星

長期間にわたって肉眼で見えたヘール・ボップ彗星とレインボーブリッジ(撮影:1997年3月24日 大熊正美)

彗星が肉眼でも見えるほど明るくなったら、固定撮影で身近な風景といっしょにとらえてみましょう。