2024年11月の星空

紫金山・アトラス彗星は10月に、ひじょうに美しい姿を見せてくれた。天体写真ギャラリーには1200枚以上(10月25日時点)もの投稿をいただいている。今月は眼視観察は難しくなるが、撮影はまだ楽しめるだろう。一期一会の機会を、できるだけ長く味わいたい。

さて、宵から深夜の空には土星木星が目立っている。さらに夜が更けると、2か月後に地球最接近を控えている火星も見えるようになる。肉眼で輝きを眺める、双眼鏡で月との接近を観察する、天体望遠鏡や撮影で拡大像をじっくり見る、様々に惑星を楽しみたい。夕空の水星金星も見て5惑星制覇(月と太陽も見れば「曜日の星めぐり」)、さらに宵の天王星と海王星も見て7惑星制覇にも、ぜひ挑戦してみてほしい。

星座ウォッチングではアンドロメダ座とペルセウス座のペア、カシオペヤ座とケフェウス座のペアを探してみよう。よく知られたギリシャ神話のなかで夫婦で星座になっているのは、この2組だけだ。どの星座にも2等星があり意外と見つけやすい。11月22日は「いい夫婦の日」、天上の夫婦の輝きも増して見えるだろうか。

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全天星図

全天星図

東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。

主な天文現象

5日(火) 細い月と金星が並ぶ
11日(月) 月と土星が接近
12日(火) おうし座北流星群が極大
16日(土) 水星が東方最大離角
17日(日) 天王星がおうし座で衝
17日(日) しし座流星群が極大
20日(水) 月と火星が接近
カレンダー(月齢と天文現象)

月、惑星

  • 1日:🌑新月
  • 4日夕方:金星とやや離れて並ぶ
  • 4日夕方:アンタレスと接近
  • 5日夕方~宵:金星と並ぶ
  • 8日:月面X
  • 9日:🌓上弦
  • 11日夕方~深夜:土星と接近
  • 16日:🌕満月(ビーバームーン)
  • 16日夕方~17日未明:プレアデス星団と大接近
  • 17日宵~18日明け方:木星と並ぶ
  • 19日宵~20日明け方:ポルックスと接近
  • 20日深夜~21日明け方:火星と接近
  • 20日宵:ポルックスと並ぶ
  • 21日深夜:プレセペ星団と並ぶ
  • 23日:🌗下弦
  • 23日未明~明け方:レグルスと接近
  • 28日未明~明け方:スピカと接近

水星

  • 上旬:夕方 -0.3等
  • 中旬:夕方 -0.3等
  • 下旬:夕方 0.3等
  • 5日ごろ:さそり座δ星ジュバ(2.3等)と大接近
  • 10日ごろ:アンタレスと大接近
  • 16日:東方最大離角
  • 26日:留

金星▶ 特集ページ

  • 上旬:夕方~宵 -4.0等
  • 中旬:夕方~宵 -4.1等
  • 下旬:夕方~宵 -4.1等
  • 4日夕方:細い月とやや離れて並ぶ
  • 5日夕方~宵:細い月と並ぶ
  • 17日ごろ:いて座λ星カウスボレアリス(2.8等)と超大接近
  • 20日ごろ:いて座φ星(3.2等)と大接近
  • 22日ごろ:いて座σ星ヌンキ(2.1等)と大接近

火星▶ 特集ページ

  • 上旬:深夜~明け方 0.0等
  • 中旬:深夜~明け方 -0.2等
  • 下旬:深夜~明け方 -0.4等

木星▶ 特集ページ

  • 上旬:宵~明け方 -2.7等
  • 中旬:宵~明け方 -2.8等
  • 下旬:宵~明け方 -2.8等
  • 17日宵~18日明け方:月と並ぶ

土星▶ 特集ページ

  • 上旬:夕方~未明 0.8等
  • 中旬:夕方~未明 0.9等
  • 下旬:夕方~深夜 0.9等

天王星

  • 上旬:宵~明け方 5.6等
  • 中旬:夕方~明け方 5.6等
  • 下旬:夕方~未明 5.6等
  • 17日:(おうし座)

海王星

  • 上旬:夕方~未明 7.8等
  • 中旬:夕方~未明 7.8等
  • 下旬:夕方~深夜 7.9等

主な彗星(~10等前半)、小惑星(~8等前半)

紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)

  • 上旬:夕方~宵 7等
  • 中旬:夕方~宵 8等
  • 下旬:夕方~宵 9等

小惑星ベスタ(4)

  • 上旬:未明~明け方 8等
  • 中旬:未明~明け方 8等
  • 下旬:未明~明け方 8等
  • 4日ごろ:おとめ座の銀河M61と大接近