紫金山・アトラス彗星は10月に、ひじょうに美しい姿を見せてくれた。天体写真ギャラリーには1200枚以上(10月25日時点)もの投稿をいただいている。今月は眼視観察は難しくなるが、撮影はまだ楽しめるだろう。一期一会の機会を、できるだけ長く味わいたい。
さて、宵から深夜の空には土星と木星が目立っている。さらに夜が更けると、2か月後に地球最接近を控えている火星も見えるようになる。肉眼で輝きを眺める、双眼鏡で月との接近を観察する、天体望遠鏡や撮影で拡大像をじっくり見る、様々に惑星を楽しみたい。夕空の水星と金星も見て5惑星制覇(月と太陽も見れば「曜日の星めぐり」)、さらに宵の天王星と海王星も見て7惑星制覇にも、ぜひ挑戦してみてほしい。
星座ウォッチングではアンドロメダ座とペルセウス座のペア、カシオペヤ座とケフェウス座のペアを探してみよう。よく知られたギリシャ神話のなかで夫婦で星座になっているのは、この2組だけだ。どの星座にも2等星があり意外と見つけやすい。11月22日は「いい夫婦の日」、天上の夫婦の輝きも増して見えるだろうか。
全天星図
東京で15日の20時ごろ、南に向かって見上げたときの星空です。月初は21時ごろ、月末は19時ごろに同じような星空になります。
大阪では約20分後、福岡では約40分後に同様の星空になります。
主な天文現象
5日 | (火) | 細い月と金星が並ぶ |
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11日 | (月) | 月と土星が接近 |
12日 | (火) | おうし座北流星群が極大 |
16日 | (土) | 水星が東方最大離角 |
17日 | (日) | 天王星がおうし座で衝 |
17日 | (日) | しし座流星群が極大 |
20日 | (水) | 月と火星が接近 |
カレンダー(月齢と天文現象) |
月、惑星
月
水星
- 上旬:夕方 -0.3等
- 中旬:夕方 -0.3等
- 下旬:夕方 0.3等
- 5日ごろ:さそり座δ星ジュバ(2.3等)と大接近
- 10日ごろ:アンタレスと大接近
- 16日:東方最大離角
- 26日:留
金星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~宵 -4.0等
- 中旬:夕方~宵 -4.1等
- 下旬:夕方~宵 -4.1等
- 4日夕方:細い月とやや離れて並ぶ
- 5日夕方~宵:細い月と並ぶ
- 17日ごろ:いて座λ星カウスボレアリス(2.8等)と超大接近
- 20日ごろ:いて座φ星(3.2等)と大接近
- 22日ごろ:いて座σ星ヌンキ(2.1等)と大接近
火星(▶ 特集ページ)
- 上旬:深夜~明け方 0.0等
- 中旬:深夜~明け方 -0.2等
- 下旬:深夜~明け方 -0.4等
- 20日深夜~21日明け方:月と接近
木星(▶ 特集ページ)
- 上旬:宵~明け方 -2.7等
- 中旬:宵~明け方 -2.8等
- 下旬:宵~明け方 -2.8等
- 17日宵~18日明け方:月と並ぶ
土星(▶ 特集ページ)
- 上旬:夕方~未明 0.8等
- 中旬:夕方~未明 0.9等
- 下旬:夕方~深夜 0.9等
- 11日夕方~深夜:月と接近
- 16日:留
天王星
- 上旬:宵~明け方 5.6等
- 中旬:夕方~明け方 5.6等
- 下旬:夕方~未明 5.6等
- 17日:衝(おうし座)
海王星
- 上旬:夕方~未明 7.8等
- 中旬:夕方~未明 7.8等
- 下旬:夕方~深夜 7.9等
主な彗星(~10等前半)、小惑星(~8等前半)
紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)
- 上旬:夕方~宵 7等
- 中旬:夕方~宵 8等
- 下旬:夕方~宵 9等
小惑星ベスタ(4)
- 上旬:未明~明け方 8等
- 中旬:未明~明け方 8等
- 下旬:未明~明け方 8等
- 4日ごろ:おとめ座の銀河M61と大接近