悪天候の中、4地点で観測成功した小惑星クレオパトラによる恒星食

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2月11日の未明1時5分ごろ、小惑星「クレオパトラ」が恒星の手前を通過して光を遮る恒星食が起こった。当日は天候に恵まれなまったが、関東から北海道の4地点で観測に成功し、3地点で恒星食による減光がとらえられた。

【2019年2月18日 星ナビ編集部

観測報告:早水勉さん(佐賀市星空学習館HAL星研

2月11日(月・祝)未明1時5分に起こった小惑星クレオパトラ((216) Kleopatra)による9.45等級の恒星(TYC 0152-02286-1)の掩蔽(食)に関しては、今年屈指の好条件だったこともあり、アストロアーツニュースでもお知らせしました(参照:「2月11日未明、クレオパトラが星を隠す」)。

当日は、星食観測者のネットワークJOINを中心に、多数の方が観測に臨みました。しかし、観測史上最強ともいう大寒波が東日本を襲う羽目に! そんな悪天候の中でも、熱心な多数の観測者たちが観測に挑みました。「悪天候のため観測不成立」のレポートが多数寄せられた中、みごとに観測結果を得ることができたのは細井克昌さん(福島県三春町)、冨岡啓行さん(茨城県日立市)、山村秀人さん(山梨県北杜市へ遠征)、吉田秀敏さん(北海道音更町)の4地点です。このうち、細井さん・冨岡さん・山村さんの3地点の観測ではみごとに食による減光が観測されました。

観測の暫定的な整約結果
観測の暫定的な整約結果(筆者による解析)。小惑星の影は、この時刻に予想されていた小惑星の形状モデルをトレースしたもの

小惑星クレオパトラは衛星を持っていることが知られており、現象直前には、パリ天文台からも衛星による恒星食予報も発表され期待が膨らんでいました。天候さえ良ければ、さらに大きな成果が得られたことでしょう。またこのような機会に期待しています。

クレオパトラの体形状モデル
小惑星の形状モデルをまとめたDAMITによる当日に推定された小惑星クレオパトラの姿勢

2019年にはこの他にも、2月22日に小惑星(2025) Noritaによる8.4等星の食、3月18日に小惑星(138) Tolosaによる9.9等星の食が起こります(いずれも北海道)。7月17日は冥王星による12.9等星の食、11月14日には小惑星(119) Althaeaによるおうし座γ星(3.8等)食があります(「星ナビ」3月号に「2019年に起こる小惑星による恒星食」を掲載しています)。

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